11月29日は、「いい肉の日」です。
全国の肉を扱う精肉店や焼肉店などでも肉の消費促進の一環として、いい肉の日イベントや
キャンペーンなどが精力的に行われています。
ちょうど年末に向けて忙しくなる時期、いい肉をしっかり食べて体力をつけたいものです。
老若男女問わず人気のある肉ですが、
その中でも和牛は、高級食材ともいわれています。徹底管理された環境のなかで飼育され、厳しい基準をクリアして消費者へ届けられる。
品質や味のよさはもちろん、生産者の想いもたくさん詰まっています
小説「新・人間革命」24巻 灯台の章には
「神戸ビーフ」で有名な但馬牛を育てる畜産業を営むメンバーの信仰体験が綴られていますのでご紹介いたします
小説「新・人間革命」24巻 灯台の章より
まさに、壮年の力、叡智が発揮され、本格的な地域社会の建設に向け、農村部の活動が、いよいよ軌道に乗り始めた時に、第一回「農村・団地部勤行集会」を迎えたのである。
農村部の抱える大きなテーマが、人口の過疎化のなかで、どうやって農業を再生させるかであるのに対して、
一方の団地部は、人口の過密化した団地という居住環境のなかで、潤いのある人間共同体をいかにしてつくり上げていくかが、大きなテーマであった。
農村の過疎、都会の過密――現代社会の抱える大テーマに、創価学会は、真っ向から取り組んでいったのである。
山本伸一は、農村部、団地部のメンバーに力を込めて訴えた。
「この私たちが、″断じて、国土の宿命を転換するのだ!″と、決然と立ち上がり、地涌の菩薩の底力を発揮していくならば、三世十方の仏菩薩にも勝る力が涌現します。
しかも、その地域に、地涌の同志が陸続と誕生し、生命の宝塔が林立していくならば、国土が変わらぬわけがありません。ゆえに、なすべきは広宣流布です。
戦後、創価学会の大前進とともに、日本は復興し、急速な発展を遂げました。しかし、今や、精神の荒廃や人間疎外、環境汚染など、深刻な多くの課題が山積しています。
その大テーマを克服するには、仏法の叡智によるしかありません。したがって、広宣流布の歩みを、一瞬たりとも、止めるわけにはいかないのであります。
どうか、農村部、団地部の皆さんは、地域広布の先駆けとなっていただきたい。
第一回「農村・団地部勤行集会」を契機に、農業復興の決意を新たにした農村部員の活躍は目覚ましかった。
兵庫県・但東町(当時)で畜産業を営む森江正義は、以前は、大阪の自動車整備工場で働いていたUターン青年であった。
家業の農業を継いだものの、当初、周囲の目は冷たく、″都会の敗残兵″と言われもした。
但東町は、優れた品質の和牛として有名な但馬牛で知られる。森江は、一念発起し、但馬牛の飼育に取り組んだ。
積極的に講習会に参加し、勉強を重ねた。さらに、若手の後継者たちに呼びかけ、「自営者学校」を立ち上げ、畜産の基礎から、血統や肉質の見分け方なども学び合った。
但馬牛の伝統を守りつつ、新しい道を開きたいと考えたからだ。
また、家畜人工授精師の免許の取得などにも挑んだ。″牛より先に食事はしない″と心に決めて、仕事に励んだ。
勉強、勉強、また勉強の日々だった。
畜産を始めて三年、育てた子牛が町の品評会で、最優秀の一等賞一席になった。その喜びのなか、勤行集会に参加したのである。
彼の牛は、品評会で五年連続して、一等賞一席を獲得するのである。
後年、森江の飼育した牛は、県指定の種牛として登録されるなど、彼は、但馬牛の第一人者として、地域に実証を示していくことになる。