今から23年前の2009120日、

バラク・H・オバマがアメリカ合衆国第44代大統領に就任した日です。


アメリカ初の黒人大統領として世界中から注目を集めました




サブプライム問題に端を発した金融危機と景気の後退、泥沼化したイラク戦争。


かつてない閉塞感に包まれているアメリカの現状を打破してくれるという期待がオバマ支持につながった。




オバマ大統領は「アメリカではあらゆることが可能だ」と強調した。



彼が演説で用いた「We can change!」、

Yes we can!」のフレーズは、米国や日本だけでなく、世界中で流行語になりました。







以下、2010126日 「SGIの日」記念提言より




 難事業には信念と粘り強さが不可欠



 さて1年前、世界中が注視するなか、若々しくまた力強く登場したオバマ政権は、アメリカ史上初のアフリカ系大統領の誕生という劇的要素もあって、旗印とした"チェンジ"(変革)に、世界中から期待が集まりました。




 折しも一昨年のリーマン・ショック以来の世界同時不況が、グローバル社会を席巻しており、

淵源の地であるアメリカから何らかの変革へのメッセージが発せられるのではないか、との思いが寄せられていました。




オバマ大統領が就任の翌月に成立させた「アメリカ再生・再投資法」は、エネルギー対策などを軸に新しい雇用の創出を目指すものとして注目を集めましたが、

危機の根は深く、本格的な回復には、まだまだ時間がかかるようです。




 グローバル経済全体を見ても、各国の政策対応もあって、金融危機は一応小康状態を取り戻したように見えるものの、

その分、財政赤字は拡大し、雇用情勢の悪化に歯止めがかかったとは到底いえない。



80年前の大恐慌の際、混乱を繰り返した景気のニ番底を憂慮する声も見え隠れしております。






 とはいえ、オバマ大統領の登場が、近代科学技術文明の悪魔的所産ともいうべき核兵器をめぐる状況に、大きな一石を投じたことは明らかです。




 特に、唯一の核使用国としての道義的責任に言及し、「核兵器のない世界」を目指すとした、


昨年4月のプラハでの演説は、手詰まり状態にあった核軍縮への動きに、画期的な希望の光を投げかけたといってよい。





師の戸田城聖第2代会長の志を継いで、折々に核廃絶への提言を行い、

また政治指導者、識者との対談でも強く訴え続けてきた私も、そうした流れの定着、加速を願い、


昨年の9月8曰、師の「原水爆禁止宣言」の曰に合わせて、「核兵器廃絶へ民衆の大通帯を」と題する記念提言を発表しました。





 もとより、黙示録的兵器とも呼ばれ、人類史の業ともいうべき核兵器の削減、廃絶といった難事業が、一朝一夕に進むはずがない。






 むしろオバマ氏がノーベル賞の受賞演説で述べたように、


「ガンジーやキングのような人が実践した非暴力は、あらゆる環境で現実的あるいは可能であるというわけではなかったと思います。



しかし、彼らが説いた愛、人類が進歩するということへの確信は、つねの我々の道を指し示す北極星であり続けるでしょう」


(『オバマ演説集』三浦俊章編訳、岩波書店)との、柔軟かつ粘り強い取り組みこそ肝要なのではないでしょうか。





まさしくガンジーの言のごとく、「よいものはカタツムリのように進む」(『真の独立への道』田中敏雄訳、岩波書店)からであります。




 オバマ大統領がさまざま取り組もうとしている挑戦については、個別の政策決定を短いスパン(期間)で捉え、短絡的に期待値を失望に転ずることは避けたい。




理想を堅持しながら、一つ一つ現実の課題を乗り越えようとする努力を国際社会で支え広げていくべきだと思います。