今私の職場関係の人で、豪華な家に住み車は外車国産車問わず何台あるかわからない、海外へは年に何度も行っているAさんという人がいます。


このAさんは〇〇大学の教授だとか、〇〇会社の社長だとか、お金持ちの人などステータスのある人には真摯な態度を示し、何もない私のような人には奴隷やゴミのように粗末に扱います。

例えば人が置いた物を邪魔だからと、人がまさに今使っている物だろうが人が大事にしている工具だろうが足でどかすなどは日常茶飯事です。


一見なにも無い人に見える人が、たまたまどこかの偉い人、または偉い人との関係者だったときには、散々粗末に扱っていた態度だったのが真摯な態度にガラリと一変します。

この様子は見ていてとてもおもしろく、私はAさんをよく観察しています。


Aさんが先日、私に卵をくれました。10個入りのパックで、食べ盛りの息子2人がいる私は喜んでありがたく持って帰りました。ウチの冷蔵庫にもともとあった2〜3個の卵を使ってからその卵を使うことにして、いよいよ新鮮であろう卵を割ってみると新鮮とはとても言えない、むしろ古い卵でした。

「お裾分けだよ」

と言われて頂いた卵です。


お裾分けとは程遠さを感じたのですが、私の『お裾分け』の解釈が間違っているかもしれないと思い念の為意味を調べてみたら、

『福を分ける』

という意味も含むということでした。


卵を頂いたのはありがたいことですが、古い物を人に渡すならお裾分けではなく「処分したいけど古くなって食べきれないからあなた食べて」など、事実のまま言われたほうがしっくりすっきりするのですが、わざわざお裾分けという言い方に変えたのは、お気遣いなのでしょう。


偉い人にはリッチな食事の用意など手厚く扱い、何も無い私には腐りかけの物の処理場として使う…本当に面白い人です。

Aさんは今年83歳になられます。

最期までステータス重視を貫くのか、関係のない話ですが、私のエンターテイナーとしてご活躍を願っています。