トヨタ新型タクシー快走 発売半年、都内法人の1割

街を走るタクシーの車両が徐々に、レトロなデザインのトヨタ自動車製「ジャパンタクシー」に置き換わっている。東京都内の法人タクシーでみると、ほぼ10台に1台の割合となっていることが19日、分かった。タクシー車両のシェア約8割を握るトヨタは、既に他の専用車の生産を終了しており、今後もジャパンタクシーが増えていくのは確実。2020年東京五輪・パラリンピックの開催時には、3台に1台以上となる可能性がある。

 トヨタによると、昨年10月に発売したジャパンタクシーの全国での販売台数は今年3月末で約4千台。業界関係者は、このうち2千台弱が都内のタクシー会社に販売されたと指摘する。これは都内の法人タクシー3万台の約7%に相当。その後もジャパンタクシーへの置き換わりが進み、現在は1割前後とみられる。

 トヨタはジャパンタクシーを22年ぶりのタクシー向け新型車として投入。車高を175センチと高くした一方、床は低く抑え、大柄な外国人や高齢者、子供が乗り降りしやすいようにした。人が座った状態の車いすを載せることも可能だ。

 タクシーでおなじみの車種は、トヨタの「コンフォート」「クラウンコンフォート」「クラウンセダン」だったが、いずれも今年1月に生産を終了。同社はジャパンタクシーに一本化している。

 これまでのペースで増えると仮定すると、20(平成32)年までには都内で1万台を超え、3台に1台以上がジャパンタクシーとなる可能性が高い。

 ジャパンタクシーは3色あるが、トヨタは濃いあい色を“メインカラー”として強く打ち出し、街を走るタクシーの色が統一感をもって風景になじむようにしたい考え。豊田章男社長は「ジャパンタクシーで、東京の街から日本の風景を変えたい」と意気込む。