復習が続かないのは「脳の性質」のせい


授業や研修、読書のあと、

「今日はたくさん学んだな、充実した!」

そう感じた瞬間、脳はすでに“終了モード”に入っています。


心理学的にはこれは「達成感によるモチベーションの低下」と呼ばれます。

脳は目標達成を感じた途端、エネルギー節約のために新たな努力を避けようとするのです。

そのため、地味で単調に見える復習作業は真っ先に後回しになります。


加えて、学習直後の脳は情報が短期記憶に一時保存されている状態です。

この短期記憶は数時間〜数日で消えてしまうため、「後でやろう」では手遅れになることが多いのです。


  忘却曲線が示す「やらなきゃ損」なタイミング


ドイツの心理学者エビングハウスが示した「忘却曲線」によれば、

新しい情報は、

20分後には約40%

1日後には約67%

1週間後には約80%

を忘れてしまいます。


この忘却スピードを緩める唯一の方法が、忘れる前に復習すること
効果的な復習タイミングは、
1. 学習直後(当日中)
2. 翌日
3. 1週間後
4. 1か月後
の4ステップです。
この「間隔反復法」は脳科学的に最も記憶が定着しやすいと証明されています。


  「面倒な復習」が本当の力になる3つの理由


1. 知識が“自分仕様”に組み替わる


復習は単なる暗記作業ではなく、学んだ内容を自分の言葉で整理し直す行為です。

この再構築のプロセスで、知識が応用可能な形へと変わります。


2. 長期記憶への昇格


脳は何度も登場する情報を「重要」と判断し、長期記憶に保存します。

これにより、必要な場面でスムーズに引き出せる“使える知識”になります。


3. 弱点を見つけて修正できる


復習をすると「あれ、ここ忘れている」という知識の穴が必ず見つかります。

穴を埋める作業こそが、実践的なスキルを作る核心部分です。


  面倒を減らす復習習慣のつくり方

1. 5分復習ルール
「机に向かって30分復習しよう」と考えると重く感じます。
代わりに「とりあえず5分だけ見返す」と決めると着手ハードルが激減します


2. アウトプット前提で学ぶ
復習は「誰かに説明するつもり」で行うと理解度が飛躍的に上がります
同僚への口頭説明やSNSでの投稿でも効果は絶大です。

3. 習慣化トリガーを決める
「朝のコーヒーの前に」「寝る前にベッドで」など、復習と日常動作をセットにすると自動化できます。


4. 可視化でモチベ維持
カレンダーやアプリで復習記録をチェックすると、達成感が視覚的に得られます。
特に連続記録は途切れさせたくなくなる心理が働きます。


  具体的な復習スケジュール例(資格勉強の場合)

当日夜:授業や参考書の内容を要点メモに書き直す

翌日:前日の要点メモを読み返し、不明点を調べる

1週間後:問題集や過去問で確認

1か月後:総復習テスト形式で理解度をチェック


このサイクルを回すことで、忘却曲線の影響を大幅に抑えられます。


  「未来の自分」からの視点を持つ


復習を面倒に感じるのは「今の感情」だけを基準に判断しているからです。

しかし、未来の自分から見れば、「あの時やっておけば…」という後悔が待っています。

この未来視点を意識することは、心理学でいう「時間的視点の拡張」であり、モチベーションを高める強力な方法です。



  まとめ|面倒な復習こそが差をつける


勉強もスキル習得も、やった直後の理解は一時的なもの。

真の力に変えるには、「忘れる前にやる復習」を繰り返すしかありません。

たった5分の積み重ねが、1年後には大きな武器になります。