プラスチック(特に合成高分子)による環境悪影響が取りざたされています。それは環境に無防備に放出されることが大きな原因だと思われます。しっかりと回収し、リユースや次製品の原料化ができればかなり環境悪影響は低減できるでしょう。

 

 

 一方、天然素材を用いて製品化すればそれらの生分解性機能により環境負荷を下げる可能性があります。その一つの可能性として木材由来の樹脂(天然高分子の仲間)の使用を広げようとする動きがあります。

 

 例を挙げれば木材の成分の一つであるセルロースという物質をビスコースという原液を製造し、繊維化すればセルロース由来のレーヨンというものができます。

レーヨン素材について | 一般社団法人 化学繊維振興会 (kssk.or.jp)

 

 上記においてフィルムにすればセロハン、粒子にすればセルロースビーズが製造されます。

これらは無防備に環境に放出されても長期的な環境汚染は少ないと思われるます。しかし、分解期間内である間は環境汚染を助長します。

 

 これらの製造過程では、ビスコース原液成分由来のである有毒な二硫化水素ガスやセルロース繊維の絡まり構造由来から洗浄には最終製品量と比較すれば過多量の排水が発生します。きちんと産廃として処理れていますが、かなりの環境負荷があります。

 

 ビスコース原液の元原料である木材はどうでしょうか?木材が得られる森林は地球の肺の役目をしています。近年では森林減少により二酸化炭素吸収量が減少して地球温暖化の一因となっています。

 

 では、なぜ森林は減少しているのでしょうか?大きな理由は以下の2つです。

 

 ・産業発展に伴う多目的な土地開発

 ・計画性のない森林伐採

 

 これは明らかに人因的なものです。

 その大きな要因の背景には経済格差があると思います。

 貧困であるためにやむを得ず安い木材を多量に供給しなければならない現地民の生活環境がそうさせている面があります。RSPO(パーム油問題を解決する組織)なども類似する問題を抱えています。

 

「環境問題の背景には経済問題がある」

         ⇒SDGsの達成が必要

 

 こう考えると合成プラスチック(合成高分子)を生分解性を有するプラスチック(天然高分子)に置き換えるだけでは社会(地球)全体としての問題解決に効率よく結びつきません。

 

セルロース以外では生分解性プラスチックの代表としてポリ乳酸があります。ポリ乳酸は加水分解により最終的に二酸化炭素と水に分解されます。けれども元原料は、食料であるトウモロコシが主原料です。これでは食糧危機を助長し経済格差問題をさらに深刻にしてしまうでしょう。

 

技術問題と社会問題がうまくリンクしていないのが現状です。

 

今後は総合的に社会問題を取りまとめ解決策を探る団体や組織が必要かなと思います。

 

 サーキュラエコノミー実現のため

我々のすべきことは合成プラスチックであれセルロースのような天然高分子であれ、環境放出せずゴミとしてきちんと回収することが優先課題です