この話はすべてフィクションです。
よって企業名、地名、名前などはすべて架空のものです。
「 gray sky in Tokyo 」
俺の名前は、五十嵐 一。東京生まれの東京育ち。
母ちゃんと父ちゃんは、いたって普通の一般的な人。
始めに言っとくが、これはフィクションだ。
俺が21歳の頃、今から約6~7年前になるが、詐欺の世界に身を潜めていた。
世間では、闇金融なるものが、東京中にはびこっていた。
俺も、そんな中、友人に誘われ闇金の世界にも入っていったんだ。
アンアンの正社員募集欄には、ほぼ200%の確立で闇金だった。
都番号(1)何て当たり前。その前に、都番号ってのは、金融免許の事。
金だけ出せば誰でも貰えるもの。(1)ってのは、貰ってすぐ。
闇金は3年と持たないから大抵みんな(1)ってわけ。。。
めぼしい店舗を見つけて、面接に行った。面接場所は、池袋。
採用しようかしないか店長との駆け引きの中で、追って連絡するって言われた。
当然、採用。当たり前だよ。ノドから手が出るほど欲しいんだろ???
最初の勤務先は、大手町。
大手町は、ひどいもんだよ。
大手企業の中にある雑居ビルには、ほぼ闇金だった。
仕事は、いたってシンプル。客に電話し、金貸そうか??ってな具合。
最初は、やっぱり営業らしくペコペコするんだけどね。
そこで、約半月ぐらいに営業電話ばっかりやってた。
おかげで、貸付金額もそこそこイッタもんだよ。。。
そこから、人事異動があり、大手町から近い神田に移動になった。
闇金ってのは、基本的にグループでやってるもの。
俺が入ったのは、約50店舗くらいある大きなグループだった。
神田地区だけでも5店舗はあった。
そのグループ内で客の取り合いするんだ。
1店舗が貸すと他の1店舗が。。。他の1店舗が貸すと最初に貸した店舗が追い貸しする。
ってな具合。。。
基本的に、会社の社長にしか貸さなかった。個人には貸さないって事。
だから、金を貸すときには必ず小切手を切って担保入れて貸すんだ。
ほとんどが土建ばっかり。たまに大手企業も来るが、結局借りない。
それもそのはず。
利息は、10日で30%が基本だったから。
無担保だともっと高い。
俺は、最高10日100%で貸しとこともある。
それは、今の話からまだ先の話だけど。。。
ある日、いつものように客が金を借りに来た。
電話ですべて話をつけたから、後は、金だけ取りに来たんだ。
小切手もね。
そいつは、金丸って名前で、印刷会社の社長やっていた。
資金繰りに苦しみ、その場しのぎで借りに来たんだ。
融資もスムーズに済み、10日後の一回目の入金日には利息分だけきっちり入れてくれた。
ようは、ジャンプだな。
利息だけ入れて、期日をクリアーする事をジャンプって言う。
結局金丸は、一回だけじゃなく1年近くジャンプし続け、最後は飛んだよ。
客の壮絶な結末なんて、日常的だった。
夜逃げの後なんて家中めちゃくちゃ。
一度、前橋の客の家に行ったんだ。
最初に会社から群馬の客の家に電話したが、コールのみ。
何度電話しても。
電話で無理の場合は、最終的に郵便局の電報を使うんだ。
「シキュウレンラクサレタシ 03-1234-1234」
カタカナが安いからカタカナ。カタカナの方が恐怖感も出るし。
電報は、良いもんだよ。
電報受け取り住所の細かな情報まで教えてくれる。
今回みたいに、家に誰もいないので、案の定、未配達。
郵便局から電話が来て、いない事を確認後、店長が、「ちょっと行って来て!群馬まで」
って、ふざけんなっつーの!郵便局から居ないって電話きてんの分かんないの??
頭で考えながらしぶしぶ群馬まで行ったもんだ。
家に着くと人っ子一人いない。当たり前。
ってゆーか。占有されてるし。。。
占有ってのは、他の貸金業者からの差し押さえみたいなの。
「コレより先は、管理区域より進入禁止 ○○商事」
居ないのは当たり前。
占有されてたんじゃもう意味無い。
取り合えず、東京に戻った。