礁渓を出て、宜蘭県の中心・宜蘭へ。

2010(平成22: 民国99)年11月26日(金)の続き

東部幹線を南下してやって来た宜蘭。宜蘭県政府(県庁)所在地である。

宜蘭車站

次の台北方面の列車まで約40分ほどあるので駅舎の写真を撮って周辺を散策。中心街は駅から少し離れているようで、今回は時間の都合でパス。

宜蘭の炸醤麺

適当に歩いていると「炸醤麺」の看板を出した軽食屋を見つけたので昼食その1として注文。
これがまたうまい!! ジャージャー麺と言えば盛岡だけど、それとは何かが違う(当然だ(^^;))。出来たて熱々はもちろん、風味もやはり違うし、台湾ながら麺に腰があるのも決め手かも。そのうまさに一心不乱に食べまくった。

ASUS宜蘭ロイヤルクラブ(?)

その軽食屋の前のビルにあったASUSのロイヤルクラブ。上得意様向けのVIPクラブのようなものかもしれないけど、台北ならともかく地方都市の宜蘭になぜ? ちなみに当時は旅行用にASUSのネットブックを使っていたので、思わずシャッターを切った次第。

 

宜蘭車站に戻り、今度は東部幹線を北上しながら撮影ポイントを探すことに。

宜蘭車站の区間車

とりあえず宜蘭13時02分発の区間車で、駅弁で有名な福隆へ。可能ならレンタルバイクで近くの撮影スポットへ行くつもり。

太平洋沿いを走る

田園地帯を過ぎて太平洋沿いに出ると空が明るくなってきた。「鉄道ダイヤ情報」で知った撮影ポイントが大里車站のすぐ福隆寄りてあることを確認し、福隆で下車。

台鐵福隆車站

名物・福隆駅弁

おなじみの台湾弁当

弁当を買って駅前へ……無い!! あれだけ街でお馴染みのレンタルバイク屋が一軒も無い!! あるのは見渡す限り「自行車出租」ことレンタサイクル屋ばかり。と言ってこれから区間車で戻ったのでは時間が遅すぎるかもしれない。
そこで大急ぎで元の電車に戻り、平渓線との分岐駅・三しょう嶺とその次の候[石同]を見てみるが、結局瑞芳まで乗ることに。ここなら自強号も停まるから本数に不自由はない。なお、駅弁は区間車の車内でおいしくいただきました。ロングシートだけど(^^;)

台鐵瑞芳車站

瑞芳で降りるのは8年ぶりだが、駅はホームから地下への階段の入口が改札口になり、駅舎には出札と鐵路警察のみ。また地下通路に炭鉱をイメージした様々な装飾が施されていた。

駅前広場でレンタルバイク屋の看板を発見、さっそく行ってみよう。

瑞芳のレンタルバイク屋

その「達華機車出租行」は建物の間の狭い通路の奥。筆談(メモ帳に「我要出租機車」)で尋ねると店員は片言で日本語が出来る様子で、こちらも知っている中国語を駆使して交渉成立。担保としてパスポートを店に預けて料金は1時間100元の従量制になった。ちなみに一日中使う場合は350元。
ただ、日本人が台湾で運転する条件は「自分の免許証・台湾用翻訳書・パスポートを携帯すること」だからパスポートを預けるのってまずいんじゃ……と思ったが、それ以上は語学力不足で交渉できないのでパス。

初めての台湾スクーター

地図をもらいKYMCO社製125㏄スクーターで早速出発。とりあえず市街地を抜けて福隆方向へ。

瑞芳の町外れを行く区間車

途中で東部幹線の橋梁を発見、運行図表から平渓線直通の区間車が来ると分かったので待ち構えて撮影。

線路沿いの廃墟

時折小雨が降る中をさらに進むと、川の対岸に何やら建物が見えてきた。近くの橋を渡ると建物の近くに線路に沿った路地があり、その先にはかっての信号所もしくは軍の監視塔(?)らしき廃墟が。そこで待ち構えると、いい具合に列車がやってきた。

廃墟横を行くキョ光号

東部幹線を南下するキョ光号

自強号

台北へ向かう自強号

復興号用客車

南下する区間車。かっての復興号用客車を使用

なかなかの撮影スポットとは思うが、再びスクーターで先へ。しばらく線路沿いを南下するとやがて候[石同]車站が見えてきた。

台湾では珍しい貨物列車

そのまま進むと駐車場で行き止まりなのでバイクを降りると、なんと頭上を貨物列車が!! 大急ぎで写真を撮ると近くにいた観光客も驚いた様子で顔を向けていた。

瑞芳行の平渓線

改めて周りを見ると何やら展望台付の建物が。そこに上がるとちょうど線路と同レベルになり、撮影に好都合。平渓線の上下列車を撮影。

振り子式特急タロコ号

さらに奥の階段を上がったところにもう一つある屋根付の建物に向かうと、ちょうどカーブの出口付近で好アングル。金土日限定のタロコ号と

区間車

区間車を撮影。はっきり言ってここはベストスポットと言っていいだろう(個人的には)

ちなみに最初の展望台のある建物は「炭鉱博物園区」と言う博物館。入場無料なので館内を除くと、写真や実際に使われていた道具等で昔の炭鉱や鉱山で栄えた街の歴史を現在に伝えていた。中には炭鉱事故の資料もあり、鉱内での爆発事故を題材にした絵や実際の爆発事故の新聞記事等が。

 

そろそろ夕方なので瑞芳へ戻ることに。橋を渡ったら途中で候[石同]車站を一望できる場所を見つけた。

候[石同]車站を一望

駅舎とホッパー(?)らしき建物

万国共通「安全第一」

驚いたことに、駅からこの場所まで旧炭鉱の施設が橋として利用されていた。ただし渡れるかどうかは不明だけど(^^;) 中央の白い建物には鉱山会社のスローガンが書かれており、漢文ながら意味は我が国にもよくある増産や安全に関するもの。展望台や駅周辺にはこの様なスローガンが随所に残っており、炭鉱とともに歩んだ町だと言うことを実感した。

店に戻って2時間分の料金を支払い、パスポートを返してもらって街へ。近くの屋台で伝統豆漿(豆乳)を買って身体を暖める。何しろ意外と風が冷たかったことと雨が降ったことで、ベスト着用の身では体温を下げてしまい、風邪を引きかねない状態になってしまったからだ。荷物を減らす目的とはいえ薄手のウィンドブレーカーも持ってくるべきだった。その点でもバイクは自分で体を動かす自転車とは異なるのだと改めて実感。

 

続きます。