七言絶句 下平一先韻 

圓 覚 曾 参 棒 喝 禅

瞎 兒 何 處 觸 機 縁 

青 山 不 拒 庸 人 骨 

回 首 九 原 月 在 天 

(訓読) 

圓覚 曾(かつ)て参ず棒喝の禅 

瞎兒(かつじ) 何處(いずこ)か機縁(きえん)に触れん 

青山 拒(こば)まず庸(よう)人(じん)の骨 

首を九(きゅう)原(げん)より回らせば 月天に在り 

 

出典 岩波書店『漱石全集』第十二巻  明治四十三年九月二十二日作

(語意) 圓覚=鎌倉の円覚寺 

参ず=参禅する 

棒喝=きびしい禅

瞎兒=物事が分からない子供 

機縁=チャンス 

庸人=凡庸、平凡な人間 

九原=墓場『礼記』による

 

夏目漱石作 大正五年十一月一日 

出典:岩波書店 漱石全集第十二巻  

雲水の為に墨絵を作りこれに賛を書いた。 

五言絶句・入声・陌韻 

 

君 卧 一 圓 中 

吾 描 松 下 石 

勿 言 不 會 禅 

元 是 山 林 客 

 

君は一圓の中に臥し 

吾は松下の石を描く 

言うこと勿れ禅を会せず 

元是れ山林の客

 

 

夢には楽しい夢もあれば、何かにとりつかれたような夢を見ることもあります。自分の心に妄念が起きるときは悪い夢を見るのだそうです。夢はつじつまが合わないことがあります。河合隼雄(1928~2007)は「夢は荒唐無稽なものではなく、その夢を見た人の願望の充足である」あると、フロイトの説を紹介しています。(『明恵夢に生きる』「夢とは何か」京都松柏舎1987)

仏典に『阿難七夢経』があります。その夢は、池の火災、日月星が辰(あした=朝)に没する、出家者が穴におちる、イノシシが栴檀の林に突入する、須弥山を頭に載せて重くない、大きな象が小さな象を捨てる、死んだ獅子から虫が出てこれを食う、の七つの夢です。これはブッダ入滅後の教団の混乱を予兆する夢ともいわれています。

漱石の短編小説『夢十夜』は夢を題材にした一風変わったスタイルです。そのうち四話は実際に漱石が見た夢だそうですが、その出典は複数あり、それがどれなのか断定できません。

 

 

久留米市内 某中学校坐禅会での講話その2

 

土曜坐禅会 毎週土曜日6:15~7:30

初心者向け 久留米市宮ノ陣町大杜1577-1 電話0942-34-0350