先週の金曜日、ドタキャンとも言えないようなドタキャンをしたからなのか?
さりげない気遣いのつもりなのか?
「今週は締め切りがたくさんあって忙しいんだー。」と、のたまう彼。
はいはい、逢えないってことね。。
「あんまり無理しないでね!」と、そっけなく返す私。
たまたま用事が発生して、木曜日に彼の往きつけのBar経由の知り合いさんと逢うことになった。
別に報告する必要もないのだけれど。一応、LINEを送る。
「木曜日、なんやかんやで先生のお家にお邪魔することになったよ!」
「そおなんや」
反応薄っす!!と心の中で突っ込みつつ(笑)、木曜日を迎えた。
お約束の時間に先生のところへ行って、あれやこれやの相談事をした。
仕事のことや、夫さんとのこと、引越しのこと・・・
先生は自分のおもしろエピソードを時折織り交ぜながら、私の悩みに応じてくれた。
たぶん、先生が先生じゃなかったら、好きになっていただろうな。
不思議な魅力を纏った方で、一緒に居ると吸い込まれてしまいそうな感覚になる。
3時間くらいいかな?あっという間に時間が過ぎて、先生のお部屋からお暇したところで、ふとスマホを見る。
彼の定時をちょっと過ぎたくらいだ。
「おつかれー仕事上がったー。今なにしてるのー?」
忙しいってゆってたのに、絶妙のタイミングで彼からLINEが入った。
あんまり自分の感情を表に出さない人だけれども、こうゆうとこは、ちょっと好き。
「ちょうど先生のお家出たところだよ!楽しかったー♪」
ちょこちょこLINEのやりとりしてたところで、電話がかかってきた。
「これから逢うー?」
「んーどうしよっかなぁーまだ18時だしね」
逢いたいくせに、逢いたいとは言わない。
自分もなかなかの捻くれ者(笑)。
「とりあえず、そっち行けばいい?」
「分かったー待ってるね」
結局、逢うことになった。
お化粧直しながら彼が来るのを待って、今日はどうしようかと考えを巡らす。
飲む気分じゃないし、急に逢うことになった日は彼を早めの時間で帰さないといけない。
薬指に指輪なんてしている男を好きになるのは、難儀なことだ。
「今日は少しお散歩したら、早めの時間で帰ってね!」
待ち合わせ場所に来た彼への開口一番。
「ふーん。」
眼を逸らしてたから、空返事をした彼がどんな顔だったかは分からない。
それからは、よく知らない街並みを2人で歩いた。
仕事がどうだとか、最近どんな勉強してるかとか、とりとめもない話をしながら、ひたすら歩く。
明るい時間だから、手もつなげない。
触れ合えない距離がもどかしい。
前を歩く彼の背中に、抱きつきたくなる衝動を抑える。
胸が、寂しさでいっぱいになる。
「・・・どうする?」
真っ直ぐ行くとホテル街。
左に曲がると駅方面。
「私、方向音痴だから。」
答えにならない答えで、彼に委ねる。
「 」
何か呟いたか否か。彼は左に曲がった。
坂をのぼって、線路を越えて、駅につく。
そう、これでいい。
帰り際に、ほんの少しだけ手を触れ合わせて、私たちは別れた。
次、逢えるのはいつになるかな。