ATM事件〜容疑者Mの真実〜

都内某所

とある某銀行ATM

2台だけ設置しているATMのスペースは
5人も並べばいっぱいになるような6畳弱のスペース

うち1台は老婦が「はじめからやり直してください」を繰り返していた
もう1台はスムーズに流れていた
並んでいる人は若干イラついている様子

老婦が
「あの～...すみません」
と俺の後ろに並んでいた若者に声をかける

キャップを斜めに被ったファンキーな若者は
イヤホンをしていて聞こえていない様子...

俺「どうされましたか？」

使い方が分からず困っているみたいで
「引き落としですか？、預金ですか？お振込みですか？」
などと聞くと、どうやらおばあちゃんは振込がしたいらしい

俺「では、一緒に最初からやりましょうか」
老「申し訳ありません、有難うございます。」

最初からゆっくりやるが、何度か間違えてまたやり直し

老「ここを押せばいいんですか？」

俺「そうです、そこを押してください」

老「こうすればいいんですね？」

俺「いえいえ違います、おばあちゃんこうしないと駄目ですよ・・・」



少し急いでいたので、いま何時かを見ようと携帯を出して現在時刻を確認…………………………「ん！？」


なんだか冷たい視線が背中を刺す


そうやって繰り返している間に新しいお客さんが列に並んできていた
明らかに白い目、1人や2人ではない…
1番最初からの流れを知らない人たちの目

そうか、確かに怪しいわ

並んでいるお客さんが1人、外へ出て行った
もしかして警察を呼びに行ったかもしれない...

その人が戻る前に作業も終わり外へ出た

今頃防犯カメラの映像を解析しているかも!?

防犯カメラはちゃんと音声入ってんのかなぁ


僕は無実です(･_･;

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