DVDを鑑賞して
 (http://www.bitters.co.jp/darwin/) 



資本主義が加速させる負の悪循環。広がる貧富の格差。
時代の先進性を説く「グローバリゼーション」とは、国際的な強者による搾取に他ならない。
欲望の国際化だ。
勿論、私たちもその恩恵を得ている。欲しい物は何でも手に入る世の中だから。
例えば我が国の、輸入無しでは生きていけない食糧自給率の陰で、
大量に廃棄されていく食糧に心痛めるだけでは足りないほど、
日常で使い捨てるあらゆる物、そして贅沢品の数々の裏に、
まだ知らぬ惨劇が存在しているのかもしれない。

タンザニアは元々貧しい国なのだそうだ。
ナイルパーチが湖に放たれたことで、漁業と関連産業が賑わい、雇用が生まれたことは好ましいことだ。
しかし、湖内の環境悪化と生態系壊の話からしても、この先長らくけられるのかと懸念が浮かぶ。
なにより、富める者だけが富み、しい者は貧しいまま。
「今までの生活よりはいいわ」
と、売春婦は言うが、エイズが蔓延し、死者は増えた。
数か月後、売春婦の友人は、外国人客に斬り刻まれ、死んだ。

魚を積んで帰る欧州からの輸送機は、往路、なんと武器を他国の戦争地に落としていくという。アフリカへの足を利用しているのだ。
そうやって戦争地に武器が供給されている。
欧州人の腹を満たすために病弊が生まれ、武器製造業を潤すためにも戦争は無くならない。
ある青年は言う。
「戦争が起こったほうがいい。
そうすれば兵が呼び戻される。兵士は高給なんだ。」
生きるために命をかけている。

資本主義が悪いのではない。
現代社会において、「金になるモノ」が存在すれば、市場システム動き出すのは当然のこと。
但し、生まれた新しい流れには、それに対処する策が必要だ。
詳しい国情は知らないが、目先の利益だけでなく、もっと貧しい人にも目を向けた国策が必要かと思う。
しかしそんななか、タンザニアの大統領自身が、「自国を侮辱された」として、この映画を批判する官製デモを主導したという。
この件もきっと、快適な国民生活の仕組みを作るはずの人間が、自らの保身と利益にしか興味が無く、現実に目を瞑り続けている結果なんだろう。
いわんや、いいかげん聞き飽きた間の性ともみるべきこの悪徳は、一国だけの話ではない。
まさにグローバリゼーションといえる問題だ。

これは一種の魚の話ではない、人間の話である。
珍しくもない、隣人の話。






mixiに、ナイルパーチというコミュがある。
魚をモチーフにした、女性向けの洋服ブランドのコミュニティ
その可愛いらしい洋服を、10代20代の女性が称賛し共感しあい、意見を交えていた。
何がどうとか言いたいわけではない。
また上記の問題は、ナイルパーチにだけ起こっているものではない。
ただ、貧困に喘ぐアフリカと、生まれもって裕福である日本の若者世代。
その同じ時代に存在する現実の差、一種の魚にまつわる意識の差を目の当たりにし、
ショックを受けた。