少子化、高齢化社会の到来を叫ばれて久しいが平日の午前中の百貨店の来店者を良く観察してみると男女を問わず老人の姿が目立つ。黙々と歩く白髪の男の方。椅子に腰を下ろしてぼーっと一点を見つめている老婆。一方、その傍らでは喋りまくっている3人のおばあちゃん達。何処に目を向けても年配者の様々な姿が垣間見れる。
あるお宅を訪ねたときにそちらのおばあさんからこんな詩をいただいた。
『ボケたらあかん 長生きしなはれ』
歳をとったら出しゃばらず
憎まれ口に 泣き事に 人の陰口愚痴言わず
他人のことは誉めなはれ
聞かれりゃ教えてあげて
でも知っていることでも知らんふり
いつでもアホでいることや
勝ったらあかん 負けなはれ
いずれお世話になる身なら
若いもんに花持たせ
一歩下がって譲るのが 円満にいくコツですわ
いつも感謝を忘れずに
どんな時でも 『へぇ~おおきに…』
お金の欲は捨てなはれ なんぼゼニ金あっても
死んでは持ってはいけまへん
『あの人はいい人やった』
そんな人から言われる様に
生きているうちに ばら撒いて
山ほど徳を積みなはれ…と、言うのは表向き
ほんまはゼニを離さずに
死ぬまでしっかり持ってなはれ
人にはケチやと言われても お金があるから大事にしてくれるんや
みんながおべんちゃらも言うてくれるんや
内緒だけどほんまでっせ
昔のことはみな忘れ 自慢話はしなはんな
わしらの時代はもう過ぎた
昔、見た外国映画の1シーンに『昨日までのことは忘れた。明日からのことは分からん。』と言うセリフを聞いたことがある。ならば今日が私の人生の残りの一日であるように一日一日を大切に生きていきたいものです。
おばあさん。ありがたいお言葉をありがとう。いずれ歳老いたらこの言葉を噛み締めて長生きします。