アメリカの諺に
『優秀なウェイターは不味い料理を救えるが
 やる気のないウェーターは最高の料理を台無しにする』
と言う言葉があります。

欧米では
ビックスマイルでお客様を如何にエンジョイさせるか
ウェイターも
クロークも
ソムリエも
バーテンダーも
店内全てのスタッフは
それぞれの役割の中で自ら考え実践している。

(背景にはチップの恩恵もあるのですが。この件は別項で)

それに対して
アジアのレストランでは
料理だけを運んで(笑顔は運ばずに)
『はい、どうぞ』
いわゆる
人の匂いがせずに
料理の匂いがしているだけだと言われている。

例えば
1986年物のCHマルゴーをオーダーしたとして
そのオーダーを受けた店側の人間は
『Beautiful』と言わないまでも
お客様の注文したマルゴーを
大事な我が子のように誉め称える。
こんな芸当ができる人を
日本で見かけたことはない。

キャッシャーは
先ず、スマイルを見せずに札やカードを見るだけ。
そして
マネージャーは澄まし顔で頭を下げるのみで
笑顔の1つもない。

ある一流ホテルのオーナーが
経営するレストランのマネージャーから
『マネージメントとは何か!?』と言う質問を受けたが
こう、答えたそうだ。

『君が役職の前にやっていた皿を洗っている仕事だよ』と。

どんな業態の店であっても
我が店の
全従業員の一つ一つの仕事の積み重ねこそが
マネージメントそのものであると。

テクニックに溺れる前に
何故
私達は今、この場所に立っているかを
再度、
考え直すことが今、求められているのではないか。