今朝方、

ニュースを見ていたら

授業料・教材費の9万円を入学式に持参できなかった

男女の高校生が

入学式に参加できなかったと言う記事を見た。


その学校は、

『私立なのかなぁ』と思っていたが、

なんと公立高校(千葉県)らしい。


男女各1人が

「お金が用意できない」などと持参せず、

式直前、

校長がそれぞれの担任に別室での待機を指示し、

2人は約40分の式の間、

教室と会議室で待機した。

学校関係者は、

事前に入学金についての十分な説明をしており、

学校としては

やむを得ない判断だったと思うと話している。

まったく、

官僚的な判断と言うか

教育者の根源を問われる問題だと考えるし、

世も末だと考えさせられる。

思い出すことがある。

私の家も兄弟が多く(6人兄弟)

大変、貧乏な家に育った。

高校も

授業料減免や奨学金を受けながら学校に通っていた。

そんな中、

修学旅行の積立金だけは免除ができなかった。

何とか積立金を納めてほしいと思うけど

母親には言える状況ではないし、

部活もやっているので、

アルバイトもできない。

仕方がないので1年留年し学費を貯めて、再び、復学したのですが、

やはり、

修学旅行の積み立てができない。

最後の手段として、

修学旅不参加を当時の担任に伝えたことがあった。

幼い兄弟が居るのだから、

自分のわがままを押し通すことができなかったのです。


母親は、

すまなさそうに、

『ごめんね』と涙を流して頭を下げてくれました。

『面倒くさいしちょうど、良かったよ。気にしないで。』と、

強がってはみても、

本当は、

行きたくって行きたくって…。

そんなこんなで

修学旅行も間近に控えたHRの時間。

班を決めることや、

コースを決めたりする時間が嫌で、

HRを抜け出して部室に逃げ込むことが続きました。

担任も

そんな私がいなくとも気に留めずにいてくれたようです。

そんなある日。

校長室に来いと放送で呼ばれた。

当時、

1年留年し、

部活も引退し目的がなくなった自分は

新しい夢を描くために

生徒会長を務めていたのです。

この頃、

創立45周年と新体育館の新築祝いの式典があって

生徒答辞をすることになっていたので

その打ち合わせなのだろう思いつつ

校長室のドアをノックした。

『どうぞ』

と、和久津喜一校長の声。

『失礼します』

と、高校生の縁し。

中に入ってみたら、

事務長と学年主任の鬼の上久保先生と

うちの担任の荻野賢喜先生がいらっしゃった。

『齋藤。修学旅行のことなんだけど…。』

と、

担任の荻野さんが口を開いた。

『なんだ、その話か・・・。』

と、

触れてもらいたくないことだったので

一気に、

不機嫌な面になったことだろうなぁ。

『はい。行けませんので…。』

と、縁し。

ここで校長先生登場!


『いや、齋藤くん。よく聞いてほしいのだけど。』


『学年の先生方と話したのだけど、

是非、一緒に修学旅行に行って欲しいのだよ。』


『積立金のことは聞いたよ。それならば、

学校が一時立て替えるから心配せずに行ってきたまえ!』と

言ってくださった。

同じように

積立金が払えてない人が私の他に数名いるのは知っていたが、

学年主任の話だと、

その数名も学校の後援会の一時立て替えで

修学旅行に行くことが可能になったと言う。

強がっていた私は、

みんなと修学旅行に行ってみたかったので

一つ返事で

返事をしたことを今でもはっきり覚えています。


ごめんなさい。

文化祭のスローガンを

『喜一。危機一髪!?』にしたのは

私の発案だったのです。

そんな優しい校長だとはつゆ知らず、

こんなふざけたことをやったことを

今は後悔しているのです。

20数年前の話ではあるけれど、

こんな教員たちが

当時、

ゴロゴロ存在していたのです。

今、

学校の先生が給食費を授業料を徴収する場面が増えていると聞きます。

それが

教員に与えられた仕事ではないと思います。

今回の件も

授業料が焦げ付かないようにとった手段なのでしょうけど

入学式に出られなかった生徒の気持ちを考えてください。


入学説明会に話したから仕方がないのですか!?


もし、

入学式の前に支払われていなかったのなら

事前に家庭訪問をしても良いだろうし、

校長に教頭に学年主任に頭を下げて

入学式に参加させられることはできなかったのですか!?


何が教育なのか!?

何が公共なのか!?


この学校の先生方にお聞きしたい。

何のために教員になったのでしょうか!?

あなたは、

何のために教員になったのですか!?


今回のような生徒が

他の生徒に引け目を感じないように配慮するのが

教師の役目ではないでしょうか。


先生。

頼みます。

生徒たちを守れるのは、先生方だけです。

学校で

生徒を守れるのは、先生方だけです。

私が、

今、こうして講釈を垂れられるのも

多くの

先生方に支えられたからです。