縁というのは不思議なもので、耳鼻咽喉科 西洋医学代表(というのはおおげさですが)として、先月に参加させてもらった、インド伝統医学 アーユルベーダの耳鼻咽喉科・眼科学にあたる、シャーラーキャタントラ専門医の先生の講義、施術がきっかけで、イナムラヒロエシャルマ先生といろいろとお話する機会が増えました。


ご依頼もあって、シャーラーキャタントラの書籍の、西洋医学の部分の執筆を担当させていただいたり、2015年の日本アーユルベーダ学会の大会を任される予定になりました。耳鼻咽喉科として、また、学浅い、西洋医学の医師として、伝統医学であるアーユルベーダとのつながりが深まっていけばうれしいと思っています。


そもそも、



きた日誌



アーユルヴェーダ(ayurveda)は、サンスクリット語の「アーユス(aayus|生命)」と「ヴェーダ(veda|知識、学問、真理)」が合わさった言葉で、 「生命の科学」ともいわれる、インドにおける伝統医学です。

アーユルヴェーダは、自分自身が自らの心と身体の状態を知り、心身共に調和のとれた健康的な生活おくる方法について教えてくれます。


病気を患ってしまっている場合の治療についてはもちろんですが、そもそも病気になりにくい心身をつくること、健康を維持し病気を予防するという予防医学の側面を大切にしています。 アーユルヴェーダは、心と身体の繋がりを理解し、自ら心と身体を癒していく方法(技術)を教えてくれる「知識」そのものなのです。


またインドの「医食同源」ともいわれ、身体の状態に応じた適切な食べ物とそうではない食べ物についても詳細に語られており、日常生活における実践的な生活医学でもあります。

アーユルヴェーダでは「体内時計」を規則正しく働かせることで、食事の消化・吸収・同化を助け、心穏やかに、健康で長生きが出来るようになると考えます。

アーユルヴェーダにおける体内時計についての考えのひとつに、一日の時間によって活発に働いている内臓は変わるとされています。

たとえば、

朝の時間帯は肺が活発に働くものと考えられ、

正午頃には胃が活発に働いて、それゆえお腹が空いてきます。
午後は、肝臓が活発に働く時間となりますが、もし肝臓が弱っていると、午後2~4時頃に眠気が襲ってきます。
夕方は、腸や腎臓の働きが高まります。

(Ayurveda Life HPより)


といった具合に、食養生を勉強させてもらっている立場からすると、たいへん参考になる考え方がつまっています。もちろん、気温、食文化、生活習慣、などなど、が異なる国である伝統医学を、そっくりそのまま私たちに適応できるということではないでしょうが、西洋医学一辺倒の医学にあって、伝統医学の持つ、生活習慣、体内時計、食生活を大切にする部分は、見習うことが多いですね。