花粉症の「舌下免疫療法」をご存じでしょうか。話題にものぼってきているので、お聞きになった方も多いかと思います。


学会主催の舌下免疫療法の講習会に出席してきました。これまで、”減感作療法”と呼ばれ、皮下に注射をして、身体の免疫機構に働きかけて、花粉症を起こしにくくする方法です。しかし、注射をするのがいや、アナフィラキシーと呼ばれる、つよいアレルギー反応がおこる方がいる、ということで、広く普及するには至っていませんでした。


この舌下免疫療法は、基本的にはこれまでの注射する方法と違って、自宅で花粉症エキス剤を舌の下に滴下する方法であるため、患者さんの負担がかなり軽減されることが期待されています。その治療が保険適応になる予定です。


もちろん、簡単な治療といっても、合併症などでこの治療ができない方もありますし、2,3年にわたって治療を継続する必要があります。1週間ほどやれば、花粉症が治る、というほど簡単なものではありません。今後、さらに具体的なことが明らかになっていくと思いますので、当院でもその治療法開始に向けて、準備を整えています。


ただ、やはり病気の治療には、自分自身のなかに原因があり、治すのも、というよりも治るのも自分自身であることにはかわりありません。どうしても、患者さんも、また私たち治療者にも、自分の食生活、鼻呼吸を中心とする呼吸法、気持ちの持ち方を無視して、安易にこうした治療にたよりたくなる気持ちがあります。


塾のコマーシャルで、生徒の”やる気スイッチ”を押す、というのがあったと思いますが、あくまでも、治るスイッチは、自分自身の中にあります。そのスイッチを押せるものもまた、自分自身しかありませんね。


いつもお世話になっている、みらいクリニック、今井先生もすすめておられますが、ソンバーユという、馬の油があります。かなり歴史もあります。スキンケアが主なのですが、これを点鼻することで、鼻腔の粘膜や上咽頭炎などを予防、改善する方法があります。



きた日誌


きた日誌

私も実践しはじめていますが、無味無臭、刺激もなく、点鼻はまったく問題ありません。どころか、とても調子よく感じられます。ご興味のある方は、診察のときにも説明します。


これは一例ですが、先にも書いた食養生、呼吸法などなど、こうしたセルフケアがもっと広がれば、かぜもインフルエンザも花粉症も、おそれることはないと思っています。ぜひ、自分で自分の治癒力スイッチを押していただきたいと思います。そのお手伝いをするのが、私の役割だと思っています。