情報リテラシー論06キュレーションが必要な訳’25長岡造形大学 | 新潟コンサルタント横田秀珠

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情報リテラシー論06キュレーションが必要な訳’25長岡造形大学
https://yokotashurin.com/etc/digital-curation2025.html
90分の授業を15分で振り返りつつ学生の質問にも全て答えます!

キュレーションの基礎概念と出版業界での台頭
Amazonの一強時代における出版業界のキュレーション戦略
出版業界は長年、Amazonの一強状態に悩まされてきました。しかし、そんな中でもキュレーションを武器に独自の存在価値を示している書店が存在します。その代表例が「読書のすすめ」という書店です。この書店を営んでいた清水克衛さんは、単に本を並べて売るのではなく、お客様一人ひとりに合った本を選書するというキュレーションサービスを提供していました。残念ながら、清水克衛さんは2025年6月に亡くなられましたが、彼が築き上げたキュレーションの精神は今も多くの人々に影響を与え続けています。

また、北海道にある書店が展開している「一万円選書」というサービスも注目を集めています。このサービスでは、お客様から詳細なアンケートを取り、その人の興味関心や読書歴に基づいて、書店員が一万円分の本を選書するというものです。単なる商品販売ではなく、プロの目利きによる価値提供がここにはあります。

さらに最近では、TikTokで紹介された本が爆発的に売れるという現象も起きています。驚くべきことに、絶版になっていた本でさえ、TikTokで話題になることで再び注目を集め、増刷されるケースも出てきました。これもまた、インフルエンサーによるキュレーションの一形態と言えるでしょう。このように、出版業界においてもキュレーションは重要な戦略となっているのです。

キュレーターという言葉の起源とリアル世界での展開
そもそも「キュレーター」という言葉は、インターネットで生まれたものではありません。この言葉は、美術館や博物館で作品を選定し、展示を企画する専門家を指す言葉として、リアルの世界で先に誕生しました。美術館のキュレーターは、膨大な作品の中から展示するものを選び、テーマに沿って配置し、来館者に対して一つのストーリーや体験を提供します。この「選択と配置による価値創造」という考え方が、後にインターネットの世界にも応用されていくことになります。

リアルの世界では、セレクトショップもキュレーションの好例です。セレクトショップは、世界中のブランドやデザイナーの商品の中から、店主やバイヤーが厳選したアイテムだけを取り揃えます。お客様は、その店が選んだ商品であれば安心して購入できるという信頼関係が成り立っています。また、通販生活というカタログ雑誌も、編集部が厳選した商品だけを掲載することで、多くの読者から支持を得てきました。

音楽の世界では、コンピレーションアルバムがキュレーションの代表例でした。様々なアーティストの楽曲の中から、テーマに合った曲を選んで一枚のアルバムにまとめることで、新しい価値を生み出していました。そして現代では、SpotifyやApple Musicなどの音楽配信サービスにおける「プレイリスト」が、このコンピレーションアルバムの役割を担っています。ユーザーが作成したプレイリストや、サービス側が提供するプレイリストが人気を集め、音楽との新しい出会いを生み出しているのです。

このように、キュレーションという概念は決して新しいものではなく、むしろ古くから様々な分野で実践されてきた手法なのです。それが、情報が爆発的に増加したインターネット時代において、より一層重要性を増してきたということができます。

身の回りにあるキュレーションの事例
私たちの身の回りには、意外と多くのキュレーションが存在しています。例えば、東横インホテルが展開している「たのやく」というサービスがあります。これは雑誌のキュレーションサービスで、ホテルの宿泊客が興味を持ちそうな雑誌を厳選して提供するというものです。雑誌という媒体も、編集部による記事のキュレーションと言えますが、「たのやく」はさらにその雑誌をキュレーションするという、二重のキュレーションを行っています。

ファッション業界においても、キュレーションは重要な役割を果たしています。WEARというアプリは、一般のユーザーがコーディネートを投稿し、それを他のユーザーが参考にするというプラットフォームです。人気のユーザーが着用している服や組み合わせ方は、多くの人にとってのファッションガイドとなっています。また、MBさんという方が発行している有料メルマガ「まぐまぐ!」は、月額550円という価格設定にもかかわらず、1万人もの会員を抱えています。このメルマガでは、ファッションに関する情報がキュレーションされ、読者に分かりやすく提供されています。

楽天も、Rakuten Fashionというキュレーションメディアを立ち上げました。さらに、楽天ROOMというサービスでは、ユーザーが自分のお気に入りの商品をキュレーションして紹介し、それを見た他のユーザーが購入すると紹介料が入るという仕組みになっています以下略
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