これまでお話を伺った一例を。勿論お名前などは出せませんが。

不思議と印象に残ったケースです。

長いわりに内容は薄いかもしれないので

お忙しい方はお勧めしません(笑)

 

子供が引きこもりになってしまったという親御さんからのご相談でした。

これまで懸命に勉強をして学業も優秀。

コミュニケーション能力もありイジメなどもない。

成績が下がったり挫折があったわけでもない。

 

親御さんのお話を伺いながら、お子さんは家から出られないということで、メールなどから対話を開始しました。

本人も何故かわからないけど玄関に立つと一歩も動けなくなると。

1か月ほどメールや手紙でやりとりをしてオンラインでの対面での話ができました。

本当に?と思うほど言葉遣いも丁寧で笑顔で明るい。

 

本が好きな子でした。普段はゲームやスマホ?と聞けば本ばかりとのことでした。

本は今はネットで注文すれば翌日には届きますよね。

ですがその子は『本屋』や『図書館』へ行きたいんです、と言いました。

本屋さんで自分が知らない分野を歩くのが好きなようです。

自分が知らないものが一か所に集まっているのが本屋とか図書館だと思う、

という考えを持っていました。

学校へはご両親も学校側も強制的にはせず戻る準備は常にある。

自分自身は学校は嫌いではない。勉強が好きだそうです。

 

『引きこもり』という定義が正しいのだろうか?

コンビニや買い物にだけは行ける引きこもりもいると

ニュースや色々なところで言われていますが、

引きこもりではなく『外に出れない』ことがその子の

悩みの定義だと、ご両親とお話をしました。

『引きこもり』という定義でくくってしまわないこと。

言葉は付加要素が多分にあります。

引きこもり⇒世間体・焦り・孤立など

ネガティブな付加ができてしまいます。

なので『外に出れない』ことを真ん中に置いていきましょうと。

 

 

ここからはご両親のカウンセリングを行いました。

子供とまったく同じ質問を交えて。

本質的な話もしましたが、ここが印象に残っているので

ひとつとして。

 

・『その子の好きな食べ物は?』

親御さんはカレーと答えました。

好きな食べ物は頑張っておいしく作りたいとおっしゃっていました。

本人は『パスタ』と答えました。

 

ご両親の後に子供に聞いたので、カレーではないの?と続けると。

カレーは食べられなくないけど中のジャガイモが苦手だし、匂いがつくのが嫌で、

ちょっと苦手な食べ物だそうです。特にシーフードカレーの日は身体がかゆくなる。のちに検査をしたら甲殻アレルギーでした。

アレルギーは我慢しちゃいかんよ!と流石に注意しましたが。

言わないのは引きこもってる自分はそんなこと言えない。

本人にも引きこもりを定義せず、家から出れないことを

中心に考えていこうと。

 

簡単に表現すれば気をつかっているということですね。

それも双方が気を使いすぎている。小さなズレです。

 

そして4か月ほどして本人と会えて

ご両親も交えてお話をさせてもらいました。

この小さなズレを軸にした会話をしました。

好きなものをそれぞれ話す、それだけです。

 

あれ?俺いなくていいのかな?と思うほど

エキサイトしていましたね。

 

私は普通のカレーがいい普通が一番。

俺はチキンカレーがいいんだよ!トマトがはいったやつ。

ご両親同士でエキサイトして、子供は笑ってみていました。

活気が出たのは初めてだそうです。

 

ここはご両親も暗くならないように意識されたのだと思います。

本質的に活気のあるお二人ではあると思います。

そんなご両親が気にかけてくれることが腫物扱い

されているように感じたこともその子にはあったそうです。

 

パスタカレーを開発しようと子供の発案で収まる。

不思議な収束でした。

なんやら見てて面白ささえ感じてしまいましたが、

なんとなく活気のあるご両親と気遣いの子供。

その構図の輪郭の見えるやりとりでした。

最後にずいぶん知らないんだな、とご両親がおっしゃり、

本人は言ってないからごめん、、そんな会話へと続きました。

 

小さなズレを認識したことから。

親子は、どうして外に出られなくなったんだろう?

そこで初めて膝を付け合わせて話をはじめました。

 

これは個人のカウンセリングでも『自己認知』を高めることで

メンタルや行動を安定させる手法がありますが、

親子の感覚を認知する。一つのきっかけになったのかもしれません。

その認知によって対話の土台ができたのだと思います。

 

『個人』の認知だけでなく『家族』での認知というのも大切。

それは職場なども同じかもしれません。

カレーひとつからこういう方向に行くのだなと

改めて『対話』の重要性を再確認しました。

 

そこからは家族間での会話が増え週一程度に報告をもらったり

オンライン程度にカウンセリングは抑えて1年ほどたった頃。

初めてその子から直接会いに来てくれました。

本屋へ行き欲しかった本を買い、お茶をしながら話をして

地方の廃校前の学校へ編入することを決めたと伝えられました。

家からは遠い場所で近場に住み込みで働いて学校へ通わせてくれる人を

探し出したと。

出れなかった原因は未だわからないとのことです。

だけどその子は予想以上にスタートダッシュを決めてきました。

 

その子は今、その最中です。

ちょくちょく連絡をくれて写真も送ってくれたりと。

夢が出来たそうです。ごはん屋さんを作りたいそうです。

しかもカレーを名物にしたいと。

本気か冗談かわからないものでしたが、ひとまず

これまでの目標通り進学して、児童心理学と社会心理学を

学ぶことにしたそうです。

 

もはや私が突き放されるW

 

カレーについて、これ一つでこんなにも広がる。

少し笑えますが、私自身が親子に触れて得るものが多かった。

不思議と印象深い一例でした。

 

小さなズレは些細なところにあります。

親子はそのズレを認識してどうすればいいだろうと思考を始めました。

このケースは私は何もできなかったなと思う反面

些細なズレが大きなズレになったり、

それこそ小さな積み重ねが心に大きくのしかかる。

人間は自分を見ることが苦手です。人は良く見えます。

人は自分を映すものでもあります。

ネクタイがずれてないか?寝ぐせはないか?

毎朝鏡を見て寝ぐせをなおすように

日々の中に認知を溶け込ませていくことが

重要なのかもしれません。

 

些細なこと。

それは人によって感じ方は様々です。

自分の感覚をまず大事にしてください。

誰かを否定する必要もありません。

その些細は何か?それについて話せる人がいればありがたいですね。

 

 

薄い内容だったと思いますが、小さなズレ

些細な言葉、そこに大切なものがあるかもしれません。

 

みなさんの個性を大切に。

感性と創造は自由です。

人に迷惑をかけなければ。

 

と、宣伝もしておきます。つぶれちゃうと困るので。。。。

 

悩みや相談があれば、気軽にお問合せくださいね。

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宜しくお願い致します

 

高松

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高松幹宏

 

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