自閉症の自己刺激 | 障がいを持つ子供の将来を見据えた海外療育

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コロンビア大学院で特別支援を学んだ療育の専門家が個々の将来を考慮した子供の成長を伸ばす方法論を事例と一緒に紹介します。

  自閉症の自己刺激行動は改善するの?

こんにちは

障がいを持つお子さんへの対処法だけではなく、将来を見据えた指導法を全国の児童発達支援施設や放課後デイサービスでお伝えしている療育コンサルタントの竹村文です。

 

重度の自閉症を持つ子どもに見られるのが自己刺激行動です。自己刺激行動とは、手をひらひら、ジャンプジャンプ、ヒモをゆらゆらなどですが、支援者としてどのように指導したらよいか迷いませんか?本人は好んでやっているけど、止めさせたいけど止められない。保護者にも対処法を尋ねられたりしませんか?

 

 

原因を知る

米国で会った重度の自閉症の男の子

表出言語は、絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS)を使ってのコミュニケーションが主でした。言葉の理解は、難しいこと以外はほぼ理解していました。彼の自己刺激行動は、自分の目の前ひもやリボンを揺らし、そのゆらゆら感をずっと見るでした。取り上げると怒る、こちらが止めないと一日中継続するぐらいの勢いがありました。

 

応用行動分析のABC分析を使って自己刺激行動をする原因を客観的視点から探します。

「ひもがゆらゆらする感覚刺激を求めている?」「暇な時間にやる?」

 

 

 

場所を選ぶ指導法

暇な時間に自己刺激行動の頻度が増えるのであれば、暇な時間を作らないようにすると頻度は減りますね。しかし、一日中課題を提示したり、活動をするのは限度があります。

 

そこで指導法です。

1)応用行動分析(ABA)を使い、強化子とタイマーを使ってスモールステップで教えていきます。

2)適切な場所、時間を選ぶ

 

 

 

STEP.1強化子、タイマーを使っての練習

短時間(例:1分)から始めます。タイマーをセットし本人にスタートボタンを押してもらい、自己刺激行動がでなかったらご褒美。この流れで時間を増やしていきます。

 

STEP.2適切な場所と時間を選ぶ

日常生活の中で、許される場所と時間ってありますよね。例えば、たばこを吸う人は、喫煙所という場所があります。昔流行った鉛筆を指でくるくるって回す行動も、家で宿題をしている時は大丈夫ですが、授業中や試験中にやったら100%注意されます。

 

自己刺激行動も同じです。自己刺激行動をやって良い場所を支援者が保護者と話しあい決めます。

 

重度の自閉症の男の子の場合は、自己刺激行動=ひものゆらゆらをしてよい場所はベランダに決め、ゆらゆら行動を釣り具を使っての釣りの練習になりました。周りの人たちは、釣りが好きで練習してるんだねと思い、自己刺激だとは思いません。ちなみに釣りはしません!

 

 

 

自己刺激行動を改善するのは簡単ではありません!時間と根気が必要ですが、改善します。個々のニーズ、そのお子さんのニーズに合わせて指導してください!