すごくお薦めです(漫画の話です) | ENSEMBLE ni-ke

すごくお薦めです(漫画の話です)

今回ご紹介するのが一応「音楽の漫画」ということで、ブログのカテゴリ(テーマ)は音楽ということにしています。

この度僕が強くお薦めするのはこの漫画です。


個人的な感想を言うと、近年読んだ漫画の中では最高傑作と言っていいと思います(今のところ)。
ただ、音楽をかじったことのある僕自身の経験から、この作品をよりおもしろいと感じている部分もあるかもしれません。

この漫画の題材は「ジャズ」です。しかし僕自身は全くジャズを聴かないし、今まで聴いたこともほぼない人間だということを付け加えておきます。それでもすごく面白い漫画なんですよ。

音楽漫画と呼ばれるものは数多くありますが、今までに面白いと感じたのは「のだめカンタービレ」だけでした。音楽漫画は他にもいろいろ読みましたが、個人的には正直どれもつまらなかったです。
何故つまらないかというと、読んでいても「音」が伝わってこないんです。音楽を描く漫画で音が伝わってこないのって致命的では?と僕としては思ってしまうんですが、「のだめカンタービレ」では初めて漫画から音が伝わってくる感覚を味わいました。

そこに関しては、のだめカンタービレは僕の専門でもあるクラシックを題材にした漫画だったので、描かれている曲や音を想像しやすかった部分もあると思います。

しかし今回ご紹介した「BLUE GIANT」については、前述の通り作中に出てくる曲に関する僕の知識はほぼ皆無です。なのにちゃんと絵から「音」を感じるんですよね。これってホントにすごいことだと思うんです。ただ、僕にもっとジャズの知識があって曲のことも知っていれば、きっと今の何倍も楽しく読めるんだろうな~と思うとそこはちょっとばかり悔しいです。ジャズ自体には今もさほど興味は湧かないけど、この漫画を読んでいると少し聴いてみようかな~という気になります。

作者の石塚真一さんは、有名なところでは実写映画にもなった「岳」の作者でもあります。岳も読ませていただきましたが、この方は作中人物の人となりや心情の描き方が独特で天才的です。アメリカに住んでいた経験もあるとのことで、そのせいでジャズが身近であったり、日本人的ではない感性が育ったりという部分があるのではなかろうかと勝手に推測しています。

余談ですが…BLUE GIANTとのだめカンタービレ、漫画としてはどちらも非常に面白く秀逸です。ただ、のだめカンタービレは笑える漫画なので、音楽というカテゴリは同じでもBLUE GIANTとはかなり趣が異なりますね…。

BLUE GIANTの既刊は現在8巻までです。このままいくと自分の中の傑作漫画ランキングがかなり変動する予感がします。
持論ですが、漫画でも小説でも曲でも、そういった作品は過程も勿論ですが何よりも終わり方が大切だと思っています。傑作になるか駄作になるかも終わり方一つでガラっと変わってしまいます。BLUE GIANTの今後の展開と、そして兎にも角にも終わり方に大いに期待したいと思います。


追記:
初めは勢いでこの記事を書いてアップしてしまい、所々文章に拙い部分がありましたので訂正しました。あと、僕が感じるBLUE GIANTの最大の魅力は「夢(特に音楽の夢)への向き合い方が明確に描かれている」という点です。夢が大成するにせよしないにせよ、その正しい向き合い方にはさほど選択肢はない。ただ、その正しい向き合い方にいかに早く気づき、そしてひたすらに真っ直ぐ正しいほうを選択し続けられるかどうか。無論僕はそれができなかった人間ですけどね。

この漫画の主人公は、読んでいると何だか王道少年漫画に出てくるバカ正直で真っ直ぐなヒーローみたいな印象を受けます。一見すると「実際こんな奴いるの?」みたいな。ですが、実際に正しく夢に向き合い続けている実在の人物に抱く僕の印象っていうのは、この主人公そのものです。有名人でいうとイチローさんかな。あとは、身近で言うと僕の大学時代の先生や、飲食業界で働いている幼馴染み。その方々に共通するのは、若い十代の頃から考え方や物腰が完成されていて、歳をとっても価値観や容姿にブレがないこと。…まあ、その話はいつかまた書けたらと思ってます。

追記が本編並に長くなっちゃってすみません…


ren