筋膜リリースや皮膚のリンパに対する施術への関心が高まっていますが、これらの痛みなどがどのようなメカニズムで生じるのかを明確に説明できる人は多くありません。

今回は、特に皮膚のシワと筋膜の突っ張りに焦点を当てて説明します。

 

 

まず、皮膚のシワがどのように形成されるかを理解することが重要です。例えば、分厚い本を曲げたとき、ページが層になって滑走する様子を想像してください。

 

このとき、本を曲げると、一方の側は縮み、もう一方は伸びます。この縮む側と伸びる側の両方が滑走しながら動く感覚が、皮膚のシワ形成において重要です。

 

縮む側では、皮膚が浮き上がるような状態が生じます。これが人間の体ではシワとして現れます。しかし、表層組織がくっついてしまうと、この浮き上がる動作ができず、シワが形成されなくなります。これは、例えば手術後の傷跡が癒着することでよくわかります。シワができなくなると、本来浮き上がるべき皮膚ができず、痛みを引き起こすことがあります。

 

次に、伸びる側について考えます。伸びる側では、組織が滑走しながら伸びることが重要です。滑走性が低下すると、本来滑りながら伸びるべき層がうまく動かず、突っ張り感を感じるようになります。濡れたジーンズを曲げ伸ばしするときのように、表面がくっついて滑りが悪くなると、突っ張り感が強くなります。

 

さらに、組織の移動距離にも注意が必要です。中心点から離れた部分の移動距離が大きいため、表層組織はより多く動きます。これにより、表層の新筋膜などが痛みを発しやすくなります。

 

このようなメカニズムを理解し、どのように動いているかをイメージしながら治療を行うことが重要です。滑走を促す際の圧力や手技も、これらの知識を基に適切に行うことが求められます。

 

私の場合、決して強い圧は加えずに、キネシオテープになったつもりで患部へ触れます。

手のひらによる患部への圧がゼロになり、患部が手に吸い付いているような感覚です。

 

解剖学的に見ると、皮膚は複数の層から成り立っており、最も外側の表皮、その下の真皮、そして下層の皮下組織があります。シワの形成は主に真皮層で起こり、この層のコラーゲンとエラスチンの繊維が重要な役割を果たします。これらの繊維は皮膚の弾力性と強度を保ち、伸縮することでシワの形成に寄与します。

 

筋膜は、筋肉を包む薄い結合組織の層で、筋肉の動きをスムーズにし、筋肉同士の摩擦を減らす役割を果たします。筋膜の滑走性が低下すると、筋肉の動きが制限され、痛みや突っ張り感が生じます。これは、筋膜が適切に滑走しないと、筋肉の動きが妨げられ、結果として痛みや不快感を引き起こすためです。

 

筋膜へのアプローチと、シワを伸ばすアプローチorシワを作るアプローチだけで関節の可動性がUPします。

例えば、手首の掌屈がむずかしい場合、手関節の外側はシワを作る。手関節の内側はシワを伸ばす。

これで可動域が変わります。

 

以上のように、皮膚のシワと筋膜のメカニズムは、それぞれの組織の特性と動きに深く関連しています。これらの理解ができると痛みの治療やセルフケアの指導においてメリットが多いです。

 

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