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正木明1の1(はじめ)

八十歳(2014)になって、「老いのうた」のタイトルで詩作を始めました。すっからかんの音と色と詩と・・・・・・・

             [ 死 」

          

                   死は むかし確かにあった恋のよう
                   季節のない
                   降りつづけて止まない 雨のよう
                   なんの忘れ物か
                   忘れてしまった 忘れ物を探す音がする
                   雨の音がする


     静謐(せいひつ)が世界の全て で
     やかましかった人間も
     死者となって はじめて
     ほんとうの人間となる

     と いうことは


     泣いたり 笑ったり 怒ったりの
     喜怒哀楽は
     人間の業(わざ)であって
     死者の遊びに過ぎない
     死者の忘れ物は返ってこないのだ


     それでも一日は無事に過ぎ
     記憶の一列縦隊が挨拶をする
     おはようございます と
     「時」は いつも残忍で機嫌がいい