老いのうた(14) 「無 量」 やっと 無人島に 流れ着いた それから 幾日か たって 鉛筆が流れ着いた それから 幾月か たって 紙が流れ着いた さて 何を書こう それから 幾年か たって 紙は チリチリと 風に飛び 鉛筆は ホロホロと 地に散った おれ? とっくの昔 白骨とななり 白骨も チリチリホロホロ 風に飛び 地に消えた 今日日(きょうび) その無人島は 人が一杯で にぎにぎしく 空は まっ青 海は 輝いている そして 海は死んだ