人類のさまざまな(発明)のなかで

食に関わる発明ほど永い年月をかけた

発明は他にないでしょう。

 

酒の発明もパンの発明もそうです。

 

それだけに一度発明されたものは

ずっと永い寿命を持ちます。

 

(伝統の味)という言葉が流行りました。

 

料理は材料と調理で決まりますから

伝統の味というのは

昔のままの材料を使って

昔のままの調理でつくるものが

伝統の味でしょうか。

材料の生産の技術が進んで

昔のままの材料よりも改良に改良を重ねた

現在の材料のほうがずっと美味しいときがあります。

調理の技術が進んで

昔のままの調理よりも改良に改良を重ねた

現在の調理のほうがずっと美味しいときがあります。

そんなときには昔の方法にこどわらず

新しい方法を取り入れればいいわけです。

 

しかし

昔の材料のほうがよいとわかりながら

生産性のために新しい材料を使って

昔風に装い(ほんもの志向)と呼び

昔の調理のほうがよいとわかりながら

生産性のために新しい調理を使って

昔風に装い(手作り風)と

呼んでいるものが増えました。

 

(ほんもの志向)と呼んでも

ほんものでなく

(手作り風)と呼んでも

手作りではないのです。