今から30年前に

神戸にある菓子企業が

5人のダイレクトマーケティング室を設け

新規事業に参入した。

 

手伝いを師匠から言われ参加した。

 

(知恵の果物)という商品シリーズ。

 

今風でいうところのサブスク。

 

1コースに三回の商品が定期的に届く。

 

その一つのシリーズに

新潟のルレクチェがあった。

 

明治36年

原産地のフランスから

原木を取り寄せ新潟の白根にて

試行錯誤の末

栽培を軌道に乗せ

近隣の果樹農家に広めた小池左右吉氏

今でもその当時の古木が残っている。

ラフランスよりも

バートレットよりも古いと聞く。

 

商品販売の方法としては

目新しいものではなかった。

 

全てダイレクトメール限定販売で

1500口と決めていた。

 

三回の総額が確か1万円弱

当時としては斬新で

わざわざ発送時期を

ギフト需要かき入れの

中元歳暮を外している。

 

ギフトはタテ文化の送り物。

 

プレゼントはヨコ文化の贈り物。

 

いつまでも冷蔵庫にいくつか

残ってしまっているものは

プレゼントとして向かない。

 

食べきれる量と大きさ

特別にあなたのために贈らせる

そんなコンセプト。

 

自家用(自分へのご褒美)

プレゼント用に分かれている。

 

ル レクチェの場合

プレゼント用を選択すると

はがきが先様に送られる。

 

このたび○○様より仰せつかった

商品を果物が木熟するまで待ち

摘み取ってからコンポートにして

熟成させてからお手元に

お届け申し上げます。

 

木熟が進んでちょうどいいころに

美味しく熟れたルレクチェが一個届く。

 

それから一か月後熟成させたコンポートが

山形の木苺のソースと共に届くそんな手法。

二回目は

山梨の契約農家の紅玉の

アップルタルトとセカンドフラッシュの

ダージリンとのセット。

 

三回目は

イングリッシュスコーンと

瀬戸内のオレンジのマーマレード。

 

もちろん自家用で注文する方3割と

プレゼントで大切な方に贈る方7割で

すべて完売です。

 

今はネット社会

SNS流行り

すべて簡単に画像や文字を

相手に届けることが可能な社会

でもなんとなく味気ない。

 

(知恵の果物)という響きと

新しい生活様式を

感じさせるとっても洒落たサブスク。