京王線「府中駅」から徒歩5分の場所にご鎮座する、武蔵国総社「大國魂神社」。
創建は景行天皇41(111)年5月5日とされ、1900年以上のとても歴史のある神社です。
武蔵国の一之宮から六之宮の神様が合祀されていることから、“六所明神”、“六所宮”と称されています。
パワー絶大!ご本殿には6柱以上の神様がご鎮座する
主祭神は“大國魂大神”で、武蔵国を守護する氏神様。
このように、ご本殿には6柱以上の神様が鎮座していますので、大國魂神社1社に参拝するだけで、6社参拝したことと同じパワーが得られちゃうのです(*>∇<)ノ
けやき並木のはじまりは、源頼義・義家父子が、奥州平定の「前九年の役」の際、大國魂神社に戦勝祈願し、勝利のお礼に苗木を寄進したこと。
1000年近く前の人々も、ここでけやきを眺めながら、神社に向かっていたのかも…。そう考えると、参拝への期待が高まります。
御神木
境内に入っても続く並木道では、マイナスイオンをめいっぱい浴びられること、請け合い。さらにこの日は、森林浴とともに蝉しぐれまで楽しむことができました。
ちなみに、大國魂神社ができたのは、1900年以上も昔といわれています。
当時は、現在の東京都・埼玉県・神奈川県川崎市と横浜市の一部までが武蔵国と呼ばれていました。
その広大な武蔵国を開き、人々に衣食住を教え、医療やまじないの術を授けた神様が、大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)。
この護り神を祀ったのが、神社の起源です。その後「大化の改新」で、府中に国府が置かれることとなり、神社近辺は政治の中心都市に。
そんなこともあって、大國魂神社は武蔵総社として発展。現在も、福を招いたり、縁を結ぶ神社として、厚い信仰を集めています。
参道には、摂社である宮乃咩(みやのめ)神社が。
参道には、摂社である宮乃咩(みやのめ)神社がありました。こちらも本社と同じく長い歴史を持ち、安産祈願で知られています。
絵馬と並んでいるひしゃくも、安産を願ったもの。ひしゃくの底に穴があいているのは、穴開きひしゃくから水がスルスル流れるごとく、お産が軽くなりますように…と、祈願するためとか。
宮乃咩神社の向かいには「ふるさと府中歴史館」もあり、隣には屋外相撲場も。拝殿にお参りする前にも、あれこれ楽しめそうです。
隨神門隨神門
けやきのトンネルを抜けると、立派な隨神門の前に到着します。2011年に御鎮座1900年を記念してつくられたもので、その大きさは、幅25m、高さ8m、扉一枚が畳約5畳分!国産のヒノキでつくられており、木造の隨神門として国内最大の規模を誇るそうです。
「鶴石」と「亀石」「鶴石」と「亀石」
大きな門をくぐると、いよいよ神域です。門を入って最初にあるのは、「鶴石」と「亀石」。どちらも鶴や亀の形をしているわけではないようですが、なぜここに?ということで、神社にお話を伺うと…。
「ふたつの石は、江戸時代の名所を描いた『江戸名所図会』でも見ることができます。かなり古くからあるものと思われ、鳥居の前身なのでは、と推測されています」
なるほど…。それでちょうど、本殿・拝殿に向かう途中にあるのかもしれません。
これらの石は、メディアでパワースポットとして取り上げられることも多数。参拝の際は、要チェックです!この日も、パワーをいただこうと石をなでている参拝者がいました。
鼓楼
「鶴石」、「亀石」をなで終えたら、次の見どころは鼓楼です。神社では昔、太鼓で時刻や緊急時を知らせており、それが置かれていたのが、この建物。現存のものは、幕末につくられたものだそうで、「鶴石」、「亀石」とともに、長い歴史を感じさせてくれます。
立派な朱塗りの中雀門
鼓楼を過ぎ、次なる目標は拝殿です。拝殿の前には、これまた立派な朱塗りの中雀門が。樹々の緑とのコントラストが、みごとです。
拝殿
門をくぐり、大きな拝殿にお参り。
本殿の裏本殿の裏
御神木の大銀杏
そして見逃せないのが、大銀杏。産後の肥立ちをよくする御利益があるとされる、御神木だそうです。
樹齢は、約1000年といわれている大銀杏
水神社
こちらはそのひとつ、水神社。入り口の横には、「水神は身体健康子孫繁栄等を司る神ともされており…」との説明書きが。
御神水は、地下120mからくみ上げているとか。身近過ぎて忘れてしまいがちな、水のありがたさを思い出せるスポットといえそうです。
5月は奇祭・「くらやみ祭」、9月は幻想的な「くり祭」
境内にテントが並ぶ
広い敷地と豊かな自然。それだけでも、何度も訪れたくなる大國魂神社ですが、毎月いろいろなお祭りやイベントが行なわれているのも、参拝し続けたくなるポイント。
この日も、同週に行なわれるイベントのため、境内にテントが並んでいました。
「くらやみ祭」「くらやみ祭」
大小さまざまなお祭りのなかで、もっとも大きいのが、4月30日から5月6日まで行なわれる「くらやみ祭」です。
現在は夕方から行なわれていますが、古くは真夜中に神輿がスタートしていたため、この名がついたとか。わざわざ暗い中で行なっていたのは、神聖な神様を直視するのがおそれ多いからなのだそうです。
7日間のクライマックスは、8基の神輿と6張の太鼓が担ぎ出される、5月5日。
神社によれば、「随神門は扉の高さが4.5mありますが、お祭りで使う神輿を担いだまま通れるようにするためなんです」とのこと。
このエピソードを聞くだけでも、神輿の迫力が想像できるはず。来年のゴールデンウィークは、ぜひ「くらやみ祭」を予定に組み込みたいものです。
「くり祭」
また、9月27・28日にも「くり祭」と呼ばれる、秋季祭があります。府中は江戸時代、栗の名所として徳川幕府に栗を献納していた地域。
お祭りのメインとなる28日には、くり市も開かれるそうです。そして、なによりの見どころは、境内に並ぶ、約260本もの行灯(あんどん)。
夕方から午後9時まで、普段の神社とは異なる、幽玄な光景が広がるとか…!
御朱印
開門時刻について
中雀門(赤い門)の開門時間にあわせて、参拝いただけます。開門時刻は以下の通りです。
4月1日~9月14日 午前6時~午後6時
9月15日~3月31日 午前6時30分~午後5時
カフェ 『菩提樹』
府中本町及び府中駅南口から10分ほど歩くとところにあり、東京競馬場北門のすぐ近くの場所にあるレンガ調の一軒家カフェ。
窓からは竹林を通った柔らかな緑の陽射しが優しく入り、テラス席ではペットの同伴もOKです。
メニューはストレート珈琲を中心に喫茶メニュー、フードはケーキセットとトースト程度。競馬開催日には周辺が混雑するのでお気を付けください。