毎日映画コンクールの各賞が決定し、「歩いても 歩いても」「青い鳥」の異なる味わいの2作品で心にしみいる演技を見せた阿部寛さん(44)が男優主演賞を初受賞しました。「映画の賞は初めて。うれしいですね」と阿部ちゃんは喜びを語ってくれました。

 是枝裕和監督(46)と待望のジョイントを果たした「歩いても 歩いても」は一家の長男の命日に年老いた両親のもとに集まった家族を通して、それぞれの悲喜こもごもをあぶりだした家庭劇。出来の良かった兄と常に比べられてきた肩身の狭さや両親への反発心など、次男が抱える“居場所のなさ”をリアルに表現してみせたのが阿部ちゃんです。

 「余計なアプローチは一切しなかった。原田芳雄さん、樹木希林さんら共演者が共演者ですから、主役といっても頑張る必要はありませんでした。無の状態で是枝さんの演出に身を委ねました」と出過ぎず、埋没することもなく、その絶妙なさじ加減の演技で作品世界に溶け込んでみせてくれました。

 一方の「青い鳥」ではいじめの問題で揺れる中学校に派遣された吃(きつ)音の臨時教師を存在感たっぷりに演じていました。「発音障害を持ったこの先生も、いじめられている生徒たちに近い心を持っている。吃音だから責任ある言葉を選んで生徒たちに発する。いじめの解決を提示するわけではなく、見た人がそれぞれ何かを感じてもらえればいいと思って演じました」と話しています。

 30人を超える生徒たちとは現場でも役名で呼び合い、距離感を保っていたそうです。「完全アウェーの状態でしたが、それも面白い経験でした」と笑って回想していたそうです。

 カリスマモデルから俳優に転身。実にさまざまな役を演じてきました。「最初は役柄が制限されたし、バカにもされた。その反動で、どんな役でもどん欲にやってやろうと思った。40歳を過ぎて主演の話も頂けるようになり、人物を深く掘り下げていくようになってきた。でも、あの頃のアグレッシブさが最近ないなと反省もしているんですよ」と言葉の通り貪欲な姿勢を見せています。阿部ちゃんの今後の活躍に期待するとともに演技に注目していきたいと思います。「はいからさん」←今となってはこの頃阿倍ちゃんが懐かしいですよね。(参照 スポニチ)