娘さんのお母さんロス | N'sひろみ 悲しみのケア日記

N'sひろみ 悲しみのケア日記

看護師歴20年、グリーフケア(大切な人・ペット・物などを失った深い悲しみ、悲嘆のケア)について学びました。「悲しみをどう受け止めるかによって人生の質が変わる」ことを痛感し、悲しみを抱えながらも、あなたらしく生きるためのヒント満載の講座を開講しています。

こんにちは😃

ご訪問ありがとうございます😊

アメブロ初心者の私が、
皆さんに「グリーフケア」を知って
いただきたくて始めた、連載投稿。

題して、『グリーフケアの風』

「大人が親と死別するかなしみ」を
テーマにしばらく綴って参ります。

さて、今日のテーマは…
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『グリーフケアの風』その28
「娘さんのお母さんロス」
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昨日から、
「大人が親と死別するかなしみ」を
テーマにお届けしております。

今日は「娘さんのお母さんロス」についてです。



こんなアンケート結果があります。

2014年に週刊朝日が、母親を見送られた
40代以上の女性500人に実施した
ウェブアンケートによりますと、

お母さんを見送られた後に、
「半年後までに立ち直ったケースが4割強」
であったのに対して、
3人に1人は、
死別のかなしみは「自分が死ぬまで続くと思う」
と回答しており、精神的なダメージが
長引くことが伺える結果となりました。


言うまでもありませんが、
お母さんと娘さんの結びつきは強く、
親子であり、年々お友達同士のようになっていく
仲良し親子をよくお見かけします。


私の経験上ですが、
訪問看護師としての9年間で、
数多くの在宅看取りに携わらせて
いただきましたが、
お母さんを介護されていたのは、
ほぼ娘さんでした。
(私の肌感覚では、85%ぐらいが
娘さんだったように思います。)


私がお会いした、その娘さん達は、
独身でお母さんと同居の上、介護されていたり、
既婚でお母さん(実家)の近くに住みながら
時折、泊まり込みで介護されていたり、
娘さん宅にお母さんを引き取られて
介護されていたり、
お母さんは独居で、娘さん2人が交代で
泊まり込みながら介護されていたり

様々なご家庭がおありでしたが、
皆さんに共通することは、
お母さんの介護を一生懸命されていた、
ということです。

在宅介護は24時間続きますし、
おむつ交換や、着替え、体を拭いたり、
車椅子に移動介助したり、
なかなかの重労働だったりしますが、
娘さん達や、一部の息子さん達は、
寝不足や体調不良を訴えながらも
訪問診療医や、ヘルパーさん、
訪問リハビリ、訪問入浴、
訪問看護などのサービスを利用されながら、
最期まで在宅で過ごされ、
お見送りされていました。

訪問看護は、ご利用者様本人が
旅立たれますと、それと同時に
訪問終了となります。

そのため、その後のご家族のご様子が
分からないことが多いのですが、私は
遺されたご家族のことが気になったので、
お電話を差し上げたり、
本来郵送する領収書(訪問看護料金を
頂戴しましたという領収書)を
手渡しでお待ちして、タイミングが合えば、
お仏壇に手を合わさせていただきながら、
ご家族のお気持ちを拝聴していました。

ご家族の思いの中に、
「介護をやり切りました」、
「母の思うように生活できて良かった」、
「母は〇〇できて喜んでいました」など、
これで良かった、というお気持ちがある方は
比較的、お別れのかなしみを受け止めて
おられる方が多い印象でした。

一方、「こんなに早く逝くと思っていなかった」
「まだまだやってあげたいことがあった」
「母の誕生日を迎えさせてあげたかった」
など、心残りが多いご家族のかなしみは
非常に深く、長く引きずっておられるように
お見受けしました。

そうしますと、うつ病やアルコール依存症などの
リスクが出てくることがありますので、
注意が必要です。


また、母親とのお別れを受け止めている方でも、
ふとした時に思い出が呼び起こされて、
かなしみスイッチが入ったかのように、
涙が溢れて止まらないことがあります。

でも、これはごく普通の反応です。

「お母さんロス」は、
心理学では「対象喪失反応」と呼ばれており、
愛着の対象を失うことに伴うこころの反応
と、されています。


この反応は、
「欧米では配偶者を失った場合に起きやすい」
のに対して、
「日本では親を失った時に顕著に現れる」と
言われています。

また、日本では、父親よりも母親を亡くした
場合にその反応が強いと言われています。

つまり、欧米に比べて日本は、
親子間の距離が近く、母子関係が強いと
いうことになります。

ですので、
お母さんとの死別のかなしみがずーっと
消えなくても、それは当然のことですし、
ずーっと母のことを思い続けている、
などと、焦らなくても良いんです。

それは、ごく当たり前のことです。


ちょっと長くなりましたので、
今日はここまでにいたします。


最後までお読みいただきありがとうございます。

グリーフケアが風のように
グリーフケアを必要とされる方のところに
届きますように。

えのもと ひろみ


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