2019年4月

低血糖症の旦那さんが倒れた時は、私たちはまだ結婚してなかった。

 

出会った頃から、

寒い寒いとよく言ってて、痩せていたから冷え症なんだなって思ってた。

そして、睡眠時間も少ないから、ショートスリーパーな人。

よく眉間にシワを寄せる癖があって、目が疲れやすいとかも言って、家にはホットアイマスクが大量にある人だった。

これがあると寝やすいって言ってた。

偏頭痛持ちで何かあるとすぐ頭痛い、

そして、疲れたが口癖だったから、体が弱くてもいつも頑張ってる人だからかなって思ってた。

 

ただ、

私の友達で低血糖症の子がいて、その子から低血糖症っていう病気があって、どんな症状なのかも聞いたりしてたから、

頭のどこかに「もしかしてこの人は低血糖症かも・・・」ってことも思ってた。

 

けど、

突然倒れるとかまでになるとは想像もしていなかった。

 

 

そこからは、毎日が地獄。。。

 

 

本人も自分に何が起こっているかもわからないし、

体も頭も動かないから、ただただ生きるってことをする毎日。

 

 

彼は一人暮らしをしてて、

家賃の支払いや光熱費、自分の取り巻くお金のこともやれなっくなってた。

知らないところから電話。

家賃が引き落としが上手くいかなくなってたから問い合わせの電話がかかってきてるだけ。

 

なんだけど、

うつ病の症状からなのか、頭が働いてないからなのか、

人の言ってることが理解できなくなっていた。

私に後から教えてくれたのは、

例えば「コーヒー」と言われてもコーヒーをイメージできなくなり、ただ「こ・ひ」というひらがなが頭の中で浮かぶだけになってたらしい。

 

それで、私以外の番号からの電話は怖くて一切出れなくなっていた。

 

私はこの状況はヤバいって思って、着信があったところに彼の携帯を借りて掛け直した。

けど、

ただの彼女でしかない私には、どこから電話がかかってきてるかは把握できても、その内容については家族じゃないと教えられないと言われるばかりで知ることができなかった。

 

彼に家賃や銀行のこと色々聞いてみるが、全く思い出せないというか会話ができる状況ではない。

銀行の暗証番号もわかんなくなってた。

そりゃそうで、

彼はただただ毎日を生きることだけに必死の状態なんだから仕方がない。

 

 

私は1人ずっと考えてた。

どうするのがベストなんだろうって。

 

500キロ離れた遠距離中だし・・・

 

彼はお母さんが他界し、お父さんや兄弟も疎遠。

このまま1人にしたら死んでしまうんじゃないかって本気で思った。

結婚したら、

色んな手続きもやりやすくなるし、一緒に住めば彼の体調の管理ができる。

そう思う一方で、

この状態の彼と結婚して私は幸せになれるのか、一生苦労する人生を選ぶことになるんじゃないかって

自問自答を繰り返す。

 

持ってる鏡が不思議と3枚割れてしまったのも重なって、不吉な気がして不安が強く出てきてしまってた。

 

 

けど、

ある日私はこう思った。

心から湧き出てくるような感覚だった。

 

目の前に死にかけそうな人がいて、しかも好きな人

ここで彼を助ける方を選ばなかったら、

その方が私の心はずっと不幸が続くんじゃないか。

いっとき、もちろん苦労はあるかもしれない、

けど、

どうなるか分からない未来に立ち向かっていく方が、私の心はどこか爽快になれるんじゃないかって。

 

 

それで、私は結婚しようって思った。

彼とは、倒れる前から何となく結婚の話になってたし、

きっと結婚はこの状況になったら私次第って思ってた。

 

 

朦朧として生きることしかできなくなった彼に

『結婚する?』って言ってみた。

彼は、『うん』とだけ。

私はきっと朦朧として適当に返事してるんだろうって思った。

こんなんで良いのかな・・・

って何度も思ったが、前に進むしかなかった。

 

 

彼に、

サインするときも

婚約届を役所に提出するときも

その後、ある程度元気になって頭働いてから聞いたときも

結婚を知らないうちにしちゃってたって状況じゃないか?と確認したけど、

結婚は自分もしたかったから意思を持って『うん』と返事をしたと

そこはちゃんと覚えてると言ってくれてる。

 

 

今は

あの時、不安だったけど

低血糖症を2人で治すって決断したことに間違いはなかったと思ってる。

当たり前のことが当たり前に2人でできていることに感謝が増す人生になった。

 

 

もしも、今

低血糖症で苦しんでる人いたら伝えたい。

 

絶対良くなるから希望を持ち続けて!

身体のことを学んで、自分のできることから、毎日少しずつ身体を作り直せば大丈夫だからね!

人間の体は凄っくて、あんなに死にそうだったのに、健康な体にちゃんと戻ろうって頑張ってくれるから。

 

そしたら、

健康に必ず近づいて、感謝で心が満たされた人生になって

低血糖症も意味のある病気に変わるだけだから。