テストの後はガイダンスだ。
テストを終えた同学部の学生が1つのホールに集められる。
自分は最初にできた友達(Nとしよう)と一緒にホールへ向かい、隣の席に座った。
ここまでは完璧。そしてNと一緒に帰れば友達1人ゲットである。
話によるとNの家は大学に徒歩2分で通える程近いらしい。
自分の家も大学まで徒歩5分程度。話が合う。
席も埋まってきてもうすぐガイダンスが始まろうとしていたその時。
自分は1人の男子生徒に話しかけられた。
「あの・・・大変恐縮ですがここの席あいてますか?空いてたら座らせて欲しいのですが・・・」
どんだけ礼儀正しいんだ。気持ち悪いくらいだ。
就職した社会人ならまだしも大学生になったばかりなんだからもっと気軽に話しかけないと引かれるだろ。
そう思ったが表情には出さず了承した。
どうやらそいつ(Mとしよう)はここまで友達が出来ずに移動してきたようだ。
(まだ入学式から2時間程度しか経っていないので友達がまだいないのも無理はない)
ここで友達2人目ゲットだな。
長い教授の話をレポートにまとめ、ガイダンスが終わった。
ホールに集められた学生たちは次々と席を立ち帰宅していく。
ここで自分は提案した。「アドレス交換しない?」
なぜLINEのIDではなくアドレスなのかというと、
Nはガラケーで、Mはスマホだが見た目からしてLINEをやってなさそうだからである。
アドレスを交換し、互いにまで分かっていない名前、電話番号も教えあう。
そこで自分はMのアドレスを見た。
そこにはローマ字でことわざが書かれていた。
ぶっちゃけ引いた。しかもMはそれをドヤ顔で「ことわざだよ」と自分に伝えてきた。
なんだこいつは。ぶってんのか?なんだそのアドレス。
普通アドレスって自分のイニシャルとか誕生日とか好きなアーティストとかじゃないのか?
それがなんでことわざなんだ?自分は他人とちょっと違うんですアピールか?
そんなことを考えるが表情には出さない。
ここで友達を減らすわけにはいかないからだ。
そしてMとNと帰路につく。
Mも徒歩で大学に通うらしくて、自分と同じ方向の家だそうだ。
方向の違うNと別れて、Mと一緒に帰る。
ところがこのM、Nと3人でいた時もそうだが自分の話しかしない。
他人の話を遮ってまで自分の話をしようとしてくる。
でもここで嫌な顔をしたら負けだ。そう思って聞く側に徹した。
一緒に通学できる友達が増えたんだ。良かったじゃないか。
そう感じることにしよう。
Mと別れ、自分の家に帰る。
先に入学式から帰っていた母親が夕飯を作ってくれたいた。
これでしばらく母の料理が食べられないのか・・・
母が実家へと帰った後も、自分は今後の大学生活の妄想をしていた。
