胆振管内洞爺湖町のホテル「洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラス」の従業員や元従業員15人が、ホテルを経営する万世閣(札幌市)と浜野浩二社長に「激務の北海道洞爺湖サミット期間中も残業代が支払われていない」として、未払い残業代など計約1億3000万円を求めて札幌地裁に提訴した。 訴えによると、原告らはいずれも調理師で、2006年11月以降の未払い賃金や慰謝料など1人当たり約100万-約1500万円を請求。月に100時間以上の残業が常態化していたが、労働時間を管理するタイムカードがなく、残業代は過去10年以上にわたり支給されていなかったという。 同ホテルはサミット期間中に日米の警備担当者が宿泊。当時の総料理長で、サミット後に体調を崩し退職した原告の大坂祐一さん(52)=伊達市=は「15時間勤務が続くこともあり、精神的に追い詰められた」と話している。登別市や札幌市の同社が経営するホテル従業員も、追加提訴に加わる見通しという。 万世閣は「当社は団体交渉の場で誠実に対応しており、その最中の提訴に憤りを感じています」とコメントした。 |
このニュースを見たのは20時54分のSTV定時ニュースだったのだが、ついにやったか、素晴らしいと拍手を贈りたいと思う。かくいう私も2000年2月から01年3月までの1年余り、定山渓ホテルミリオーネで勤務していたからです。
ニュースではタイムカードも無く勤務管理ができてないとあるのはその通り。最初から時間外労働をさせるため、監督署の査察等が入った時のために証拠を残さないためです。実際に私が入社したときの面接で「当社は週休2日、残業は無いかあっても1時間程度」という話でした。しかしいざ入れば真っ赤な嘘。最初のうちこそ4週6休ほどだったが、このような会社なので辞めてゆくのも多い。なのに欠員補充しないから残る社員に負担がかかる。さらにのしかかったのは2000年3月の有珠山噴火。洞爺湖のホテルを閉鎖することになり、経費削減のために外注していた業務を社員直轄でするようになったからさらに負担が増える。これは洞爺湖が避難解除になって営業再開した後もあまり楽にはならない。辞令もなしに勝手に部署異動する(なので書類上は退職まで配属部署は変わってませんでした)。当然休みなどとれない、休みをどうしても取りたければ他のセクションの人に頭を下げて、代わりに業務をしてもらうよう頼む。よって愚痴の一つや二つも言われなければならない。しかも年末に賞与として支給されたのはたったの6万円だけ。しかも内3万円は自社の金券で期限が年末まで。自分で金券をセールスしてボーナスを稼げ、空いているのだから客の1人や2人は連れて来いといった具合。私は両親に泣きついて買ってもらい、洞爺湖に泊まってもらいましたが、何年も在籍している社員だともう頼める人がいないとして換金の手がなかったようでした。金券屋に売ろうとしても会社が支給した券番を控えているから、そのようなことをすれば相当のペナルティーを課すと脅します。
辞める頃には勤務時間は朝9時から夜11時に帰られれば良し、日が変わることもしばしば。修学旅行が入れば朝食の仕事もやらされたので6時には出社。休みも月に1日、よくて2日。私の場合も時間外労働がゆうに100時間は越えていました。辞める時にも有給の全部消化を認めない。強く要求すると「お前が他に再就職できないよう圧力をかけることもできるんだぞ!」と恫喝する始末。実際に同業他社にFAXで「○○という者が御社の求人に応募しても相手にしないで」などと流していたこともあったそう。
*その後就職した同業他社の総務によれば「たまにそういうFAX送るところあるけど、うちとしては関係ないんだよね。ライバル会社の言うことなんて」とのこと。至極常識的な行動です。
こんな状態だから要求するのも疲れ、もう関わりたくないという気持ちになってしまいました。
ちなみにこのときの月収は15万円、年収ではわずか186万円。こんな安い賃金でここまで働けますか?
それに対してこの人達は非常に立派、自分たちの要求をきちんとしたのですから。テレビで見た原告団には名前は忘れましたが見覚えある人がいたように思います。和食の主任かなにかだったかな?
私の場合は最近のことなら一緒に原告団に加わりたいところですが賃金債権に関する時効は2年なのでどうしようもないのが残念なところです。
万世閣の濱野浩二氏は「団体交渉の場で誠実に対応しており」と言ってますがマスコミ向けの嘘でしょう。社長の濱野氏は業界でも有名なワンマンで、その後就職した他社の社員でさえ「浜野は嫌い」と公言するものさえいるほど。客として来た事があったそうなのですが、自分勝手で威張り散らし、とても同業者とは思えない振る舞いだったからだそう。周囲はすべてイエスマンで固め、会議で社長に意見しようものなら即左遷は免れない状況。そんな人が労働組合を認め団体交渉をしているとは思えません。私が思うに、今日当たり万世閣の総務あたりが原告団に有形無形の圧力をかけているのではないでしょうか。
だいたい普通の会社なら「訴状を見ていないのでコメントは控えます」とか言ってマスコミを避けるものではないでしょうか。
ともかく行方を見て行きたいと思います。
やはり、2重請求は当たり前のように行われていたのではないでしょうか?