東大女子の 7 割は東大男子と結婚するんでしょ?
まわりは男子ばかりなんだから、モテるに決まってる。
選り取り見取りの環境だったのに結婚できないなんて、本人によほど問題があ るのよ。



こういった声をよく見聞きする。

筆者は、そのたびに、発言者の算数の不得手を憂う。
算数の不得手は、事実の誤認を招くのか。



ご存じの通り、筆者の独身は、自身の性格、容姿の難に起因するものである。
それは否定しない。

しかし、冒頭の解釈は一般論としては間違いである。

「東大卒女性の配偶者の 70%が東大卒男性である」という事実は、「東大卒男性 の多くが東大卒女性を需要する」こと意味するものではない。



東大の女性比率は約 20%である。 

東大卒女性が全員結婚するとは考えにくいため、結婚する確率を 80%と仮定する。

その配偶者のうち 70%が東大卒男性である。

0.2×0.8×0.7=0.112 



これを男性の割合に換算してみる。 

0.112÷0.8=0.14 

東大卒女性を配偶者にもつ東大卒男性は、14%

すなわち、東大卒女性を需要する東大卒男性は 2割に満たないのだ。



50 人のクラスを思い浮かべてみる。 
うち女性は 10 人、男性は 40 人。

将来、東大女子と結婚する男性は 5~6 人。



自身の環境にも思いを馳せてみた。

筆者の所属していた専攻科は、60 人。
うち男性は 48 人であった。

先の計算が正しいとすれば、東大卒女性と結婚する男性は、6~7 人いるはずで ある。

卒業から 10 年ほど経過した今、同級生同士での結婚は 1 組のみ。 
友人男性(10 数名)の中に、東大卒女性と結婚した者はいない。



14%すなわち 6,7 人の需要があるにも関わらず、同学年かつ友人、というフィルタがかかった時点で、その数は 1 にまで減ってしまった。

“選り取り見取り”とは対極の環境である。



「東大卒女性の配偶者の 7 割は東大卒男性である」という事実が意味すること。

それは、「東大卒女性と結婚する東大卒男性は 2 割にも満たない」という現実。

 それは、「東大卒女性を娶ってくれるのは東大卒男性くらい」という真実。




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ちなみに、同級生の女性たちは、先述の同級生と成婚した者が 1 名、異なる学年、異なる専攻の東大卒男性と成婚した者が 4,5 名、他大卒の男性と成婚した者が 2 名。

 残りは独身である。



すでに半数以上が結婚したいま、残る席はあとわずかかもしれない。
東大卒男性と成婚するか、あるいは生涯独身か。