もう一人記憶を掘り起こす。

55人目は、外資系IT企業勤務のU氏。

アカペラがご趣味というU氏とは、音楽ネタでメッセージが盛り上がっていた。

 

 

 

相手: 35歳 外資系IT企業技術職 横浜国立大学卒業

方法: Omiai

場所: 都内某所クラフトビアバー

 

 

 

筆者の勤務地近くまでお越しくださるというので、お店は筆者が手配した。

待ち合わせ場所に早く着いた筆者は、友人とのLINEに興じていた。

(そういう詰めの甘さには改善の余地あり)

 

「あられさん!」と声をかけられる。

 

筆者「友達の転職話に夢中になってました…ごめんなさい。わざわざ足を運んでいただいてありがとうございます!」

 

U氏「いえいえ、通り道ですから!」

 

U氏は、写真に偽りなく、年齢からはかけ離れたかわいらしいお顔立ちであった。

妹さんは川口春奈似だという整ったお顔立ち。

 

毎日、川口春奈をご覧になっていた方が、筆者を見てなんと思うのだろうか。

はたして人間と認識できるだろうか。

 

筆者は負け戦を覚悟する。

 

 

 

お店は例のごとく、筆者お好みのクラフトビール店。

ゴールデンエールで乾杯する。

 

 

 

話題は、メッセージから継続して、音楽ネタ。

また、外資系企業在勤ということで、英語も共通の話題である。

U氏は中高を海外で過ごした、帰国子女のようだ。

 

筆者「わたし、典型的な日本人で、読み書きはできるけど、話すの苦手なんですよ…」

 

U氏「え?ぼく英語教えましょうか?」

 

 

 

フレスコボールというマニアックなスポーツもやっているらしい。

 

筆者「こんなスポーツあるんですねー!楽しそう!!」

 

U氏「やってみます?明日練習あるから、よかったら音符

 

趣味ないの?生きる意味ないんじゃない?と切り捨てる方よりも、こうして、誘ってくださる方に好感を覚える。

他力本願だが、楽ちん。

 

 

 

U氏はとにかく朗らかだ。

純粋で誠実な印象を受ける。

 

U氏「共通の話題がたくさんあって、楽しいですね音符僕たち気が合いそうですね(^∇^)」

 

 

 

1軒目のお店を早々に後にし、少し歩きましょう、というU氏。

少しふらふらして、カフェに入った。

 

筆者「スイーツ見ると美味しそうに見えちゃいますー笑」

 

U氏「今日は止めませんよ。結婚したら止めるけど(^∇^)」

 

意外な発言に一瞬戸惑う。

 

U氏「結婚してもきれいなままでいてほしいですからね(^∇^)」

 

確かにU氏はデブが嫌いだとおっしゃっていた。

 

 

 

カフェでの会話では、端々に“結婚したら”のニュアンスを感じる。

 

U氏「次に住みたい場所とか考えてますか?」

 

筆者「実はわたし横浜に住みたいと思ってるんですよー。」

 

U氏「横浜いいですね!でも、ちょっと通勤が大変になるなぁ…そっち側で仕事ないかなぁ(^∇^)」

 

 

 

結婚を前提に考えていただけるのはうれしいことだが、なぜだろう。

つかみにくいペースで、やや先を行かれると、ついていけなくなっていく。

 

その後もU氏は朗らかに、今後の二人について語っていた。

 

カフェを後にし、駅へと向かう。

別れ際、再度週末のフレスコボールに誘われたが、適当に返事を濁してしまった。

 

 

 

乗るべきところで乗れない筆者。

 

気にかかったのは、U氏の雇用形態。

外資系IT企業在勤ではあったが、直接雇用ではない。

別の会社から派遣されたSE。

 

筆者は、SEという職種についてはよく存じ上げない。

正規雇用なのか、非正規雇用なのかもわからない。

 

収入の大小にはこだわらない。

しかし、結婚を考える前に、せめて雇用形態を知りたい、というのが正直なところ。

 

これもまた、贅沢なのだろうか。

 

 

 

帰宅後のLINE。

見覚えのあるスタンプが送られてくる。

 

U氏「おそろいのスタンプ買っちゃいました(^∇^)」

 

やはりU氏は前向きに考えてくださっているようだ。

 

 

 

と思いきや、その後の1週間、U氏からの連絡はなかった。

やはり、筆者のつれない様子を察したのだろうか。