「あなたの提供価値は何か」
コメントなどでしばしば問われる。
男性が求めているのは、温かい味噌汁と温かい笑顔で迎えられる癒しの家庭だ。
あなたにその価値は提供できない。
さようでございますか。
味噌汁と笑顔ならいくらでも提供いたしますが。
しかし、第三者ができないと見るのであれば、世の男性も同じでしょう。
そこで、筆者の提供価値について考えてみた。
筆者は、学生の頃から男友達に相談を受けることが多かった。
相談といっても、女友達のそれとは少し違う。
女性の悩み相談に求められるのは、共感、同調。
相談者の気持ちに寄り添うのが被相談者の役割である。
一方の男性は、共感を得たいわけではない。
彼らが求めていたのは、違う視点の見解、意見。
筆者は、彼らの話を聞く。
意味もなく同調しない。否定もしない。
ただ、違う視点の解釈を、自身の思うところを伝える。
しかもその解釈がどうやら少し変わっているらしい。
他者に弱みを見せることを嫌う彼らに重宝されていたのは、そういうところが所以かもしれない。
新しいものの捉え方、考え方を与える。
これが、筆者に提供できる価値ではないかと。
これに関連して、過去に最も響いたのは、週刊ダイヤモンドのこの論考↓
とはいえ、提供すべき価値は、顧客のニーズ次第。
お相手が筆者に求める役割は何か。
お相手が価値とみるのは筆者のどの部分か。
これまでも、男性にお会いするたび、ニーズの把握に努めてきた。
しかし、求められる役割の大半は、男性の学歴・職歴コンプレックスの穴埋め。
次に多いのは、自己評価の高い男性の自己陶酔への貢献。
その次に容姿だろうか。
つまり、価値として認められているのは、学歴と容姿だけ。
さて、ずいぶん話が逸れたが、K氏の話題に戻ろう。
K氏は、とりわけニーズのわからない方である。
コンプレックスは感じないし、自己陶酔も感じない。
話題は、ただただ車とお金。
車は門外漢ゆえ、気の利いた一言も出ない。
新しい視点は与えられない。
だからこそ、自身がここに居る理由がわからなかった。
K氏は筆者に何を期待しているのか。
K氏「友達はもうみんな結婚してる?」
不意に、結婚の話題を出された。
筆者「文系の友達は大体結婚したけど、学科の友達は半々かなー。男の子もこじらせてる子が多いよ笑。」
K氏「こじらせてるってどんな?」
筆者「一人は、40歳の女性と結婚前提に同棲したんだけど、親に反対されてるみたい。」
K氏「40絶対無理だー笑。自分が50歳になっても40歳の女性無理かも。」
あなたが50歳のころ、わたしは51歳ですが。
筆者「でも、40歳でもきれいな人はきれいじゃない?」
K氏「確かに。うちの患者さんでもきれいな人いるなー。そこらへんのアイドルよりずっときれい。」
筆者「アイドルも診たりするんだ。すごいね。」
K氏「でも、全然可愛くないよ。君がアイドルで大丈夫?って感じの子も結構いるもん笑。」
アイドルでも可愛くないなら、わたしは人間に見えますか。
なるほど。
ようやく、自分に求められる役割がわかったかもしれない。
ちょうどいいブス。
筆者は、日々美しい女性を診て疲れた目を癒す、ちょうどいいブスだ。
手を加えていない素朴感とどこか懐かしい安心感。
ほら、筆者にだって癒しは提供できるのだ。
新しいかたちの癒し。
癒しは味噌汁だけではない。
そんなことを考えながら、相変わらず車と金の話を聞く。
車の次は都心のタワマンを探すらしい。
さて、長くなったので、次回で締めます。