書きかけの記事もあるのだが、短編のこちらから。

最近起きた怪奇現象について。

 

 

 

39人目キャリアこじらせサラリーマンからは、なぜか週に1度程度のペースでLINEでの連絡が来ていた。

引越し云々が落ち着いたのか、他にいい相手が見つからないのか、

この数日にわかに連絡が増えた。

 

 

Y氏「そろそろ会いたいね。」

Y氏「いつ会える?」

Y氏「他にやり取りしてる人いるの?」

 

 

その都度、あー、うー、あるいはスタンプでかわす筆者。

めんどくさいな。

 

 

Y氏「俺のこと、どう思ってる?笑」

 

え?どうしたのこの人?

どうもこうも、知らない人でしょうよ。

 

筆者「正直に言うと、わからないです。一度しか会ったことないし。」

Y氏「そうだよね(^_^;)じゃあ俺からガンガンいくね!笑」

 

ますますどうしたのこの人?

 

筆者「Yくんは、どうしてそんなにわたしに興味持ってくれるの?」

Y氏「美人、努力家、頭良い、この三つが揃ってるから!」

 

 

そうでした、この人はわたしが東大卒であることに魅力を感じているんでした。

しかし、この方、賢くない。

 

 

たとえば女性が、「頭が良くて、仕事ができて、イケメンだからあなたに惹かれている!」と言ったら、好意的に受け止められるだろうか。

 

否。

 

真の動機はそうであったとしても、女性ならもっと表現を工夫する。

たとえば内面を評価したり、会ったときの印象を交えたり。

自分の求める条件をすべて満たすから!という直接的な表現は適切でない。

 

 

筆者「少なくとも、美人ではないよ。記憶というのは往々にして美化されるものだから。」

 

必殺、可愛げゼロ返信を繰り出す筆者。

 

人間は都合よく、記憶を美しく変化させる。

2か月も前の記憶に基づく造形の評価など、意味がない。

それに、そもそも筆者は努力家ではない。とんだ読み違いである。

 

 

Y氏「ゆくゆくは彼女にしたいと思ってます」

 

あー。意味わからない。

 

 

怪奇現象である。

彼が急激にハンドルを切った理由は知る由もないが、受け手側からすると怪奇現象でしかない。

一人っ子のお坊ちゃまは、やはり独りよがり。

受け手側に立ってものを考えることができないのか。

 

 

しかし、ここまで“条件”に固執する男性も珍しいな、と思う。

条件さえ満たしていればその好意(?)は揺るがないのか。

そうだとすれば、条件だけで判断してくれる方も悪くないのだろうか。