“久々の合コン”と称した会合が実施されたのは随分前のことになる。
あまりに内容がなく、書くことを躊躇していたのだが、温めても何も出ないので、文字にすることにした。
とりとめのない文章にご容赦いただければ。。。
 
 
 
久々の合コン。
筆者は幹事であるが、男性側の幹事とは面識がない。
筆者の友人が仲介役となり、見知らぬ人々と飲み会をすることになった。
場所は最近流行りの奥渋谷にあるワイガヤ系居酒屋。
照明の暗い、いかにも合コン的な飲み屋は好まない筆者としては、評価できるお店選びである。
 
休日であったため、所定の時間からほどなくして全員が揃った。
まずはお決まりの自己紹介から。
 
 
男性陣。
A氏: 建築設計事務所勤務31歳。東工大大学院卒。
B氏: 構造設計事務所勤務34歳(推定)。東工大大学院卒。
C氏: デザイン事務所勤務28歳。早稲田大学大学院卒。
 
女性陣。
Z子: メーカー勤務31歳。慶應大学卒。
Y子: 地方公務員30歳。早稲田大学卒。
筆者: 省略。
 
 
ご覧の通り、男性陣は建築設計を生業とする人間たちである。
建築を生業とする筆者の友人もそのまた友人も建築の人であるため仕方ない。
 
建築士という職業におしゃれなイメージを持つ方も多いだろう。
最近は、広告マンや商社マンに取って代わり、ドラマの主役の職業として使われることもしばしば。
 
しかし、あれはメディアが描いた妄想である。
だれも都心のタワーマンションになど住めないし、デザイナーもののインテリアなど買えない。
実際は、寝食を忘れて働くも薄給の、地味で過酷な職業なのだ。
 
おそらく3人の中には、食べていくのもやっと、という収入の者もあっただろう。
高学歴なのに低収入とは悲しい現実である。
 
自己紹介を終え、女性陣に対して、後ろめたい気持ちがこみ上げた。
建築の方々などをご紹介して申し訳ない…
 
そんな筆者をよそに会は進行する。
それぞれの友達関係、休みの日の過ごし方。
 
話を進行するのは男性幹事A氏。
というか男性のうち8割は彼が話している。
 
15kmのランニングによる疲労の上、一滴もお酒が飲めないために、ただただそこに鎮座するB氏。
 
全員30超えの女性陣に戦意喪失し、心ここに在らずのC氏。
 
おそらくA氏は場を持たせるために必死だったのだろう。
こちらにも申し訳ない気持ちがよぎる。
 
 
妙齢の合コンにしばしば見られる現象かもしれない。
限られた独身の友人をかき集め、なんとか人数を揃えた結果、今ひとつ盛り上がらない。
年齢もステータスもばらばら。同性同士が知り合いでない場合も多い。
 
今回に関していえば、双方のニーズが全く合致していなかったように思う。
 
先方は“女子大系”を所望していた。
しかし、筆者が用意したのは早慶の女子。
仲介役であった筆者の友人が、“女子大系”を“私大文系”と意訳したために、混乱が生じた。
女子大のキラキラした女性を期待する男性陣の前に並んだのは、ただの高学歴女性。
戦意も失われるはずだ。
 
一方、高学歴女性のZ子とY子。
当然、自身よりもハイステータスな男性を望む。
収入は自分よりも高くあってほしい。
先述の通り、建築設計を生業とする男性は低所得である。
これもまたニーズに合致しない結果となった。
 
 
魚屋さんに野菜を買いに行く者、フリーマーケットにエルメスを求める者。
相応の市場に行かなければ、ニーズにあった品を手に入れることはできない。
幹事である筆者が友人をおかしな市場に連れて行ってしまったのだから、筆者に非があることは明らかだ。
 
 
ともあれ、知らない男女がなぜか大きな焼き魚をつつきながら、会は進行し、無事閉幕した。
 
全員で駅に向かい、解散する。
不完全燃焼感の否めない女性陣は、改札に入ると見せかけUターン。
女子トークへと向かったのであった。