一般的に、婚活サイトのリスクとして挙げられるのは、サクラ、経歴詐称、勧誘、身体目的などである。
ペアーズやOmiaiといった婚活サイトは、実名登録をポリシーとするFacebookと連動することで、これらのリスクに対する安全性を謳っている。
 
では、実際はどうか。
今回は、婚姻状況の詐称すなわち既婚者ユーザーのリスクについて、実例を交えて考察したい。
 
 
 
1例目は知人男性。
 
友人の友人レベルで面識のある大学同窓生である。
面識はあるがFacebook上の友達ではないため、ペアーズのお相手の中に表示されてしまった。
足あとをつけられ見過ごすのも気まずかったため、口止めも兼ねて連絡をとった。
 
学生結婚していた彼はその後離婚し、現在婚活中とのこと。
東大大学院卒、最大手広告代理店とあって、かなりの人気会員であった。
 
後日、共通の友人とのお酒の席で話題にしたところ、驚きの事実を告げられた。
 
 
「そいつ同じ時期に結婚式挙げてたよ」
 
 
さすがモテ男、婚活から結婚の流れが秒速!
そんなわけはなかろう。
 
 
 
2例目は友人女性の体験談。
 
早稲田卒、これまた最大手広告代理店勤務の方とペアーズで知り合い、面接に至ったそうだ。
夜景の美しい食事に東京タワーという完璧なデートコース(もちろんおごり)、終始笑いの絶えないトークを彼女は絶賛。
好物件を捕らえたと小躍りしていた。
 
しかし、そこは冷静な友人。
第三者の評価をうかがうべく、同社に勤める知人に連絡を取ったそうだ。
すると、返ってきた返事は…
 
 
「あいつ結婚してるよ」
 
 
なんと、完璧なデートを繰り広げた広告マンは既婚者だったのだ。
実害こそなかったものの、完全に騙された友人。
よくも自分をカモと侮ったものだと憤っていたが、その後どのような報復が繰り広げられたのか、筆者は知る由もない。
 
蛇足だが、1例目と2例目の男性は偶然にも同じ最大手広告代理店勤務だったのではない。
彼らは友人同士であったのだ(Facebookで追跡の結果)。
おそらく、数名の既婚者で話のタネに登録し、実績を競い合っていたに違いない。
 
 
 
3例目は兄の同僚。
 
ある日、兄がFacebookに投稿した写真に見覚えのある顔。
同じ大学であったため、気にかけていたペアーズの会員であった。
 
それならば、直接紹介してもらった方が話は早い、と兄に連絡した。
返ってきた返事はまたも…
 
 
「この人結婚してるよ」
 
 
当人は真面目一徹の人間らしく、兄も困惑しているようであった。
人は見た目によらぬもの。
外見のチャラさはもはや詐称を見抜く手がかりにはならない。
 
しかもこの方、東大は大学院のみ、学部は某私立大学とのこと。
かなり大胆な学歴ロンダリングだ。
筆者からすれば、この学歴の方が責めに帰すべき詐称である。
 
 
 
当然ながら、ペアーズは既婚者の登録を禁じている。
しかし、登録できないのは、Facebook上の交際ステータスを“交際中”または“既婚”に設定している者に限られる。
したがって、交際ステータスが未入力の既婚者は、容易に登録することができるのだ。
交際ステータスを入力しない者が多い中では、このフィルタリングは機能しない。
 
我が同志、婚活女性よ、私たちはこの事実を肝に銘じなければならない。
詐称を見抜く力を身につけ、リスクを自ら回避しなければならないのだ。
 
パートナーをお持ちの方々は、Facebookの交際ステータスの入力を推奨されたい。