いたずらに出会いの数を増やしても、そこから得るものがなければ生産的でない。
たとえ交際へと発展しなくとも、一回一回の出会いを自身の成長に繋げられないか、そう考えていた。


そうだ、需要者の声を聞こう。


品質の向上にはお客様の声を聞くのが一番。
そこで、出会った方々にフィードバックを求めてみた。
当然、回答率は低い。



わずかながらに得られた回答をご紹介したい。
まず、5人目に登場した関西弁のY氏の回答。



「スキがない」


会話が完全に理性によってコントロールされている。
酔っているとは思えない。
女性は酒を飲んだらバカになるべきだ。



こう書くと、ひどくお堅い人間を想像されるかもしれない。
しかし、筆者はかなりふざけた人間である。
東大卒と言うと必ず驚かれるほど愉快な人間であることに留意されたい。



本題に戻って。


「スキ(隙)がない」


この言葉は過去にも幾度となく言われてきた。
さて、では“スキ(隙)”とは何か。



ある友人男性は、隙を次のように定義した。


「本人が意図しない可愛らしさ」


意識的に行われる所作や気配り、いわば「きちんとしている」ことは、確かに正しい。
しかし、完璧に作り込まれた女性を、男性は魅力的とは思わない。
ちょっとした失敗や気の緩みが見せる、本人の意図しない可愛らしさ、これに男性は心を奪われるのだ。



なるほど。


Y氏の「バカであるべき」という言葉と通ずる。

図らずも下着の一部が露出してしまっている、というのも代表的な例のようだ。
(これが本当に本人の意図に反しているのかどうかは定かではないが…)



元来、男性は理性的であり、女性は感情的な生き物と言われている。
ゆえに、理性を司った女性を、男性は同性と認識するのかもしれない。


では、筆者は女性として認識されるために理性を捨てるべきなのだろうか。
こんな考察をしている時点で、理性から逃れられるとは思えない。


さらに悪いことに、筆者自身は理性優勢の人間という自覚がない。
どう軌道修正をすればよいのかわからないのである。


これにより、潜在的に大きかった筆者の市場規模は大幅に小さくなる、ということだけ自覚している。