ヴィンランド・サガ 15巻 読了
イメージ 1幸村誠/著 講談社/刊 20141023第1刷590円 アフタヌーンKC
 TVアニメ「未来少年コナン」最終話#大団円。ラナは巫女だな。そしてコナンは日本の昔話に現れる神の力を宿した“太郎”の系譜に連なるモノだろう。残され島に帰って来たコナンとラナの日常を毎回オープニングで映し出されていたと、ラストに来てやっと判ったのは、再放送を見てからだった。同じ日の朝日新聞20141209火曜日13版10面国際特派員メモにドバイ(アラブ首長国連邦) 「日本アニメが先生」渡辺淳基/著 と題して未来少年コナンのアラビア語版で主人公の声を演じた声優とラナを演じた声優の話が載る。日本アニメが先生ではなく宮崎駿が先生ではなかろうか。国を越え時代を越えても変わらない面白さを伝えられる作品こそが傑作とか名作の尊称を周りが勝手に付けてしまうのだ。
 さて「ヴィンランド・サガ」。15巻目にしてやっと「ヴィンランド」への旅支度が始まった。云わば14巻までが序章と云えるだろう。しかし、主人公トルフィンが何故ヴィンランドを目指すようになったのかは14巻までの半生記を読まねば読者にも受け入れることは出来まい。
 ヴァイキング時代の遺物が北米で見つかるんだとか。だからヨーロッパはアメリカ大陸を“発見”したわけでも無いし新世界でも無いのだけれど、教科書に書かれているために疑うことなく使ってしまうのが、如何ともし難く悔しい。
 トルフィン達一行は先ず資金集めのためビザンチン帝国のある地中海・黒海方面へ行く事になった。バルト海から大河を経由するルートをとるみたいだが、大西洋経由ではない理由を本書とは関係無くマンガ家速水螺旋人が雑誌『MCアクシズ』か何かで書いていた。この話したっけ?
 トルフィン達から千年前のローマ帝国全盛の時代であれば、ブリテン南部にさえ着けば現在のシリアまで女性の一人ですら安全に旅行が出来たと「ローマ人の物語」に書かれていた。それほどまで“パスク・ロマーナ”偉大だったのだ。21世紀の現在よりも安全ではなかろうか。
 とある地方では当たり前にある産物が、別の地方にもって行くととてつもなく高価な商品に化けることがある。「胡椒」しかり「茶」しかり金銀珊瑚綾錦。拙者の部屋を占拠し床が抜けるのではと思うこのマンガ本と雑誌の山も何処かへ持って行って値千金にならぬものだろうか。
 内容紹介:奴隷の身分から解放されたトルフィンはヴィンランドへの遠征を前に、故郷のアイスランドに寄港する。そこで遠征の為に資金提供を求め、父・トールズと因縁の深い鉄鎖のハーフダンに資金提供の交渉をすることに!ハーフダンの息子・シグルドとの婚礼が決まったレイフの親戚・グズリーズが、トルフィンたちの船に乗せろと言い出して、シグルドとトルフィンの激烈バトルが始まる!(アマゾンより引用)
(アフタヌーン掲載)