天にひびき 1巻
やまむらはじめ/著 少年画報社/刊 20100111初版571円 YK OURS Comics
クラシック音楽を目指す若者達の物語。“あとがき”に著者自身も書いている通り、時期的にはあまりにも狙いすました感のある題材ではあるんですが、著者やまむらはじめの画風にバッチリ合った題材と展開だと思いました。
著者やまむらはじめのマンガ・スタイルは、例えるなら登山の様に一歩一歩積み上げていく感じがします。今までのSFストーリーも面白いのですが、登るべき山(設定とか舞台背景)の全容が霧の中が多く、霧の切れ間に途切れ途切れに見える部分を確かめながら山の姿を想像しつつ、登って行く人の背中を見ているようなもどかしさがありました。今回は音楽という、ある意味登る山の姿が見えていて、山の裾野は広く、頂上は高く、登り口が数多く存在する題材は、著者やまむらはじめにとても適していると思われます。
著者本人が楽器を弾けるとか、かつてやっていたと云われてもなんら不思議はありますまい。と云うより、元々素養の無い人が音楽マンガを描けるとはとても思えないわけで、特に主人公がバイオリニストであれば、習っていたのかなと勘ぐってしまいます。
どのマンガにも云えることですが、“音”を“絵”で表現するって凄いですよね。絵画の場合、時間を切り取って一瞬を表現するんで、それに比べれば時間軸の移動を“図”と“セリフ”で表現しているマンガの方が簡単ではあるんですが、それは単に比較の問題でして、とにもかくにも読者が耳にしたことの無い知らない曲でも“見せ”なければならない演出技術は無茶苦茶凄いことなのではないかと思う次第。
物語が今後どう転んで行くのか、展開が楽しみです。
書籍紹介:久住秋央はヴァイオリンを習う少年。秋央は幼馴染の少女・迫田美月の父親がコンサートマスターを務めるコンサートの練習を見に来ていた。だが指揮者の曽成氏とオーケストラの息は全く合わず、休憩時に曽成氏は失踪。そこへ現れた少女が、父の代わりだといきなり指揮を振り始め……!?天才少女との鮮烈な出会い― そして秋央は成長し― 音を奏でる若者達の音楽青春ストーリー!(カバー裏表紙より引用)
ヤングキングOURS掲載
やまむらはじめ/著 少年画報社/刊 20100111初版571円 YK OURS Comics
クラシック音楽を目指す若者達の物語。“あとがき”に著者自身も書いている通り、時期的にはあまりにも狙いすました感のある題材ではあるんですが、著者やまむらはじめの画風にバッチリ合った題材と展開だと思いました。
著者やまむらはじめのマンガ・スタイルは、例えるなら登山の様に一歩一歩積み上げていく感じがします。今までのSFストーリーも面白いのですが、登るべき山(設定とか舞台背景)の全容が霧の中が多く、霧の切れ間に途切れ途切れに見える部分を確かめながら山の姿を想像しつつ、登って行く人の背中を見ているようなもどかしさがありました。今回は音楽という、ある意味登る山の姿が見えていて、山の裾野は広く、頂上は高く、登り口が数多く存在する題材は、著者やまむらはじめにとても適していると思われます。
著者本人が楽器を弾けるとか、かつてやっていたと云われてもなんら不思議はありますまい。と云うより、元々素養の無い人が音楽マンガを描けるとはとても思えないわけで、特に主人公がバイオリニストであれば、習っていたのかなと勘ぐってしまいます。
どのマンガにも云えることですが、“音”を“絵”で表現するって凄いですよね。絵画の場合、時間を切り取って一瞬を表現するんで、それに比べれば時間軸の移動を“図”と“セリフ”で表現しているマンガの方が簡単ではあるんですが、それは単に比較の問題でして、とにもかくにも読者が耳にしたことの無い知らない曲でも“見せ”なければならない演出技術は無茶苦茶凄いことなのではないかと思う次第。
物語が今後どう転んで行くのか、展開が楽しみです。
書籍紹介:久住秋央はヴァイオリンを習う少年。秋央は幼馴染の少女・迫田美月の父親がコンサートマスターを務めるコンサートの練習を見に来ていた。だが指揮者の曽成氏とオーケストラの息は全く合わず、休憩時に曽成氏は失踪。そこへ現れた少女が、父の代わりだといきなり指揮を振り始め……!?天才少女との鮮烈な出会い― そして秋央は成長し― 音を奏でる若者達の音楽青春ストーリー!(カバー裏表紙より引用)
ヤングキングOURS掲載