イメージ 1~尾花の巻~ かかし朝浩/著 ワニブックス/刊 20090310初版580円 ガムコミックスプラス
 天才エッセイスト・清少納言。この少女、いとツンデレなり(巻末CMより引用)。
 平安京宮中を今風にキャラクターをたてて解釈し、楽しい平安貴族ライフを演出。こんなマンガを教科書にしたら古文の授業も面白かろう、と思わんでもないですが、清少納言がいかに天才文章家であったかを知らずば、このマンガの面白みは半減してしまうでしょう。だから通常の古文の授業を通過してこそ、このマンガの価値がわかるというもの。しかも同時期に天才小説家紫式部がいて和泉式部もいるという、もし日本の文学史上ここで誰かが死んでたら歴史が変ったぞというくらい絢爛たる時代。狭い貴族社会だから親しくは無いにしても世間的な付き合いは必ずあったはず。そのピンポイントの時代をマンガで表現した着眼点に先ず脱帽。コミックガムの編集部もよくぞGOサインを出しました。話は飛ぶけど、この時代の寝床って何をかぶって寝いたんでしょうね?大きめの服をかぶって寝ただけなら夏はいいけど、冬はどうしたんだか。畳みが超高級品で部屋全部になんて敷けなかっただろうし。はたして現在のように厚い畳であったかどうかも不明。映画陰陽師でも都の風景しか出てこないけど、少しでも都を離れれば、庶民は竪穴式住居に住んでいたはず。都の中だって掘っ立て柱で床が無い家が大半だと思うのですが。タタキに筵を敷いただけでは、寝ても疲れがとれなかったろうなぁと想像すると、自分のような肩凝り症には酷な時代です。まだ石を敷かれ埴輪が並び立つ綺麗な古墳が全国各地で見うけられたでしょうね。