イメージ 1荻野目悠樹/著 早川書房/刊 ハヤカワ文庫JA
 二連太陽系の惑星に住む人類が、千年に一度の太陽同士の接触期にとった行動は隣の太陽系への武力移動だった。
 角川スニーカー文庫で始まった「双星記」は、他太陽系へ進攻する12艦隊の一つに急遽抜擢された経歴不詳で軍人としては破天荒な艦長を中心とした戦記で、残念ながら角川スニーカー文庫では序章的な部分で終了してしまいました。その後12艦隊の別な艦長の視点から描かれた「ダイアナ記~戦士の還るところ」が出版社を替え発表、さらにハヤカワ文庫で同じ戦史上に脳改造を施された特殊部隊を描いた「デス・タイガー・ライジング」といった双星記の外伝的作品が発表されました。そしてやっとハヤカワ文庫で双星記の続編と云うべき「黙星録」が!
 待っていたカイがありました。もうダメかと思っていましたが、私同様悔しい思いをして待ち焦がれていた読者も多かったのでしょう。
 物語上の状況はさらに深刻な程を表し、近づく太陽、激化する天災、クーデターで成立する軍事政権、長期化する軍事作戦と云う状況の中で主人公(なんでしょうね?)がとった行動とは!?
 新シリーズということなのか、語り部たる視点の人が交代し、刑務所に入っていたため世情に疎いという設定で、初めての人向けに解説をせっせとします。その分、割を食って「彼」が残念なのことに・・・合掌。
 ポスト田中芳樹とも云うべき宇宙艦隊決戦の醍醐味を愉しみましょう!