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高野和/著 メディアワークス/刊 20060925初版590円 電撃文庫
 古代東アジア文化圏をイメージする世界の片隅で、七つの都市国家の興亡を描いた第四弾。経済力も軍事力も最下位の新興都市から風来坊の姫・軍師・将軍の三人が権謀術数の世界へ漕ぎ出し、第四都市を攻め落とすまでが第三巻。今巻は残った六人の姫達と都市の動向を詳しく紹介しつつ、次巻への伏線としています。
 この話を読んでいてイメージしたのは、当然中国の三国志とかですが、日本の場合風来坊が国を切り取ることが殆ど出来ませんねぇ。鎌倉や室町、そして戦国であっても、NHK大河ドラマだと伊達、武田、上杉、徳川、織田、毛利等皆父親が地盤を固め優秀な家臣をそろえて息子が飛躍する素地を作っています。秀吉も信長がいなければ太閤になれなかったですし、斉藤道三も一代で美濃を奪ったのではないと言われ始めていますし、北条早雲がもしかしたら本当に風来坊が国主になったのかもしれません。中国史はゲームか田中芳樹の小説くらいしか知りませんが、国が広いせいか氏素性に関わらず個人の才気に投資する人々が多いような気がします。
 そんな歴史の表には出てこない部分にスポットを当てて、尚且つ血湧き肉踊る国取りのライトノベルを読んでみたくなりました。