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 林ふみの/著 GAINAX/原作 角川書店/刊 20050217初版400円 ASUKA COMICS
 昔はアニメや映画のコミックス化されたものに出来の良い作品は皆無だったのですが、最近は原作を
巧く料理する作家が増えてうれしい限りです。これは恐らく同人誌の影響が強く作用していると考えら
れます。素材の世界観を壊すことなく、オリジナルの味をいかに加えるか、コミケを代表に日本国内の
数々の即売会で同人誌による淘汰をされ競い磨き上げられてきた作品制作論と作家達の結晶が、現在の
商業誌に結実していると思います。特にエヴァンゲリオンは一大ジャンルであり、この鋼鉄のガールフ
レンド2nd第4巻が発売された年はTV放送10年目になります。エヴァンゲリオンは10年に渡り新
作を出すことなく規模は縮小されていますが商業的規模といいファン層といい、世界最大のオタク帝国
日本においてもまれにみる作品といえるでしょう。
 エヴァンゲリオンで普通に少女漫画をやったらどうなるか、本編最終話においても自己パロディとし
て内包し、数々の同人作品を生み出したヴァージョンを、商業誌において作品として商品として成功さ
せられるかどうか、普通打ち切りか短編で終わってしまうところを4巻で第一部完、第二部2冊合計6
冊の単行本を打ち切られること無く連載し単行本化するというのは大成功ではないでしょうか。
 この鋼鉄のガールフレンド2ndの少女漫画としての完成度が高かったと言えるでしょう。