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 昨年11月の公開時近所のシネコンでは一週間程度で終了してしまいDVDを狙っていたのですが、やっと機会を得ることが出来ました。
 公開時話題にならなかったので、全く期待していなかったのですが、丁寧なカメラワークは絶賛します。三脚にきっちりと固定されて役者の演技とカメラのポジションがあまりにもオーソドックなのでカメラワークのテキストとして使えるのではないでしょか。
 舞台が1972年です。またこの70年代初期の風俗が見事に再現されています。これでもう少し役者が野暮ったく女性の化粧が濃ければ完璧でしょう。もしくは照明をもう少し暗くするとか。
 バンジュンザブロウやユリトオルに村人役をやってほしかった。
 主役阿部寛も肉体派稗田としてとても似合っています。でもどうしても途中で自著ですと言ってでんとこい超常現象を出すんじゃないかと期待していたんですが、そこまではできませんかな。
 雰囲気がとてもホラーっぽくて良いんですが、諸星大二郎の原作を読んで(私はリアルタイムのジャンプ)、あのインパクトを受けてしまうと、パライソさいくだ!の感動が如何しても薄まってしまうのが残念です。
 諸星大二郎は、ゆがんだ人物像というものが、人間の歪みを表現することに長けた唯一のマンガ家だと思います。人間本来が持っている「歪み」にたいする恐怖心を演技で醸し出すことは不可能なのではないでしょうか。
 バチカンもダヴィンチ・コードなんかにどうのこうの言うより、奇談を異端審問にかけた方がよっぽど良いんじゃないですかね。ハリウットで是非「デビルマン」と「奇談」をリメイクしてもらいたいものです。
 レンタル料金の十倍であろうとも、劇場で観たい作品でした。

以下yahooより引用
解説: 熱狂的なファンを持つコミック作家、諸星大二郎の最高傑作「生命の木」を映画化した聖書異伝ミステリー。子供のころの失われた記憶を求め「隠れキリシタンの村」を訪ねた大学院生が、考古学者とともに遭遇した想像を絶する奇蹟を描く。深遠なテーマと壮大なスケールを持つ原作の映像化に挑んだのは、『ワイルド・フラワーズ』の小松隆志。出演には、NHK朝のテレビ小説でヒロインを務めた藤澤恵麻、阿部寛、柳ユーレイら多彩な面々がそろっている。
ストーリー: 幼いころ神隠しにあったことのある里美(藤澤恵麻)は、そのときの失った記憶を求め「隠れキリシタンの村」を訪ねた。そこで、村に伝わる聖書異伝を調べるために訪れていた考古学者・稗田(阿部寛)と出会う。(FLiX)
製作年度 2005年
製作国・地域 日本
上映時間 88分
監督 小松隆志
製作総指揮 -
原作 諸星大二郎
脚本 小松隆志
音楽 川井憲次
出演もしくは声の出演 藤澤恵麻 、阿部寛 、ちすん 、柳ユーレイ 、神戸浩