今年も暑い季節になってきました。なんだか年々暑くなるのが早くなってきているように感じるのは気のせいでしょうか。

先日、お寺の関係先や遠方の親戚にお中元を届ける準備をしていた時、「あのお寺はお子さんが多いからデザート類が良い、このお寺は大人だけだからちょっと良い食材が良い」とか、それぞれのお顔を思い浮かべながら品定めをしていました。あらためて、「様々な関係を結ばせているのだなぁ」と思ったことです。
このように私たちは日々の生活の場面場面で、家族、先輩後輩、友人知人やお隣ご近所さんなど、様々な関係を築きながら生きています。

しかし、一生懸命に築いた関係性であっても、些細なことで簡単にこわれてしまうことがあります。
このような関係性の有り様を親鸞聖人は「つくべき縁あればともない、はなるべき縁あればはなるる」(『歎異抄』真宗聖典p.628)と述べておられます。つまり「一緒にいるための条件が整えば一緒にいるし、離れるような条件が整えば離れるのです」と。
私がどんなに「離れないでいて欲しい」と願っても、離れる条件が整えば離れざるを得ないのです。たとえば「死別」のように事実として離れていくのです。
しかし、そのことを受け入れられない私は、離れていこうとしている人を私の思い通りにしたいというエゴに捉われ苦しむことになるのです。
私たちは、様々な立場や違いを持った人間同士の集まりです。いただいたご縁を大切に、私の思いばかりを優先しないで、お互いの立場や違いを尊重しながら、ともに生きていくことが願われています。
南無阿弥陀仏