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夜だった。

大体において


好きなにんげんをブロックしたら気分が落ち着いた。なにが嫌だって、受け入れられない自分をこれ以上見るのが怖かった。怖いと言われる自分が怖かった。受け入れてくれない好きなにんげんが憎かった。もうあなたからのことばはなにも要らない、とおもった。だからブロックをした。

あなたというにんげんを通して見る自分が好きだった。あなたというにんげんを通して見る自分しか好きじゃなかった。わたしの敵はいつだってわたし。あなたの見てるわたしだけが可愛いわたしだった。それはわたしが心を込めて丁寧に作り上げたわたしだったから。偽物のわたしではあったけれどもわたしはそのわたしが好きだった。気持ちが良かった。だからもっと一緒にいたかったのに。わたしと。

心を許したにんげんの前ではどうして醜くなるのでしょう。わたしが好きだったわたしはあなたを好きになったおかげでどこかに行ってしまった。わたしの前にはわたししかいなくなった。ただのわたし。醜くて可愛くないわたし。やっぱりそんなわたしはあなたには受け入れられなかった。だって自分自身ですら付き合いきれないわたしなんだもの当然よね。拒絶のことばを見たくなかった。だからブロックをした。既読のマーク(でも返信は来ない、という現実)も、冷たい一言も見なくて済むようになった。安心した。こんなに簡単なことだったのかとおもった。

願わくは明るくて可愛いわたしがあなたの心の中に残ることを。そうして数ヶ月後、数年後でもいい、あなたとの時間を守ろうとしていたわたしの努力をあなたが望まなかったことを、そうして駄目になったことを、可愛いわたしが死んだことを、いつか思い出して後悔すればいい。後悔してくれたならわたしは、あなたがいなくなったことに満足するでしょう。

わたしはもう可愛いわたしに会えないということだけが悲しい。