坂本龍一さんの音楽を聞くと、それはそれは凝っている。流されないで、しっかりと構造があり、そしてエレクトニカであり、アカデミックであり、と。

司馬遼太郎松本清張も極めて情報集約。司馬遼太郎の小説世界は武将とは思えないクリアな会話、松本清張となれば並桁外れだ知識。村上春樹の小説世界は御存知の通り相手の話をしっかりと受け止めるまるでカウンセラーとクライアント、または独り言の延長線のような会話で作られ、昭和末期から平成期にはまった。

江戸川乱歩やら横溝正史となれば、大正期が背景に見え、横溝正史の戦後作品ならば大東亜戦争の影が見える。逆に言えば横溝正史の戦後の傑作はいくら舞台を戦前戦後の閉鎖的な空間としていても、大量殺戮を描いている点で昭和末期からならば、好事家の作品となり、流通が難しいのではないか。三津田信三が舞台を戦前戦後とする時に大量殺人連続殺人を描くと、違和感が弱くなる。坂口安吾の「不連続殺人事件」も戦後の混乱を一種の閉鎖空間としていて、東野圭吾が濃厚な人間関係、絆を描く時に時代を昭和期にするのも設定の力でしょうね。


戦争の体験、知識化がトレンドだったと分かる。


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モンブランチーズケーキをば。