空間に加える。
何もない空間に、何もない、と感じる殺伐とした空間に、豊かさを加える。中沢新一は修行から東京帰る前、鳴り響いているYMOの「テクノポリス」を聞いて帰国を、日本の時代を聞いた、と、帰国を決めた、と。
かつてはカーラジオオンリーだったドライブの時間は、カーオーディオ、最近ならば携帯電話からいくらでも音を流せる。
日常生活、日常空間でもいくらでも音を付け加える事が出来る。それだけのレパートリーと器具が充実している。
かつてはそうではなかった。新曲が必要な時代があった。空間を刷新してしまう存在。山口百恵、ピンク・レディーを松田聖子が一人で吹き飛ばし、過去の存在にする、と言った事は無くはなかった。
新しい、と言うニーズが残酷なまでに過去の遺物にしようする力に対して抗わないといけない圧力が異様にあった時代があった。古い、と一言で終わってしまった時代がある。
だから、新人、だから新曲、だからイメージチェンジ。
ようやくクラシック化したのか、演歌に対して、テクノに対して、アイドル歌謡曲に対しての、偏見のような憎悪が世から消えていますね。良いものは良い。
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錫杖寺